自社の単価表から見積書の下書きをClaudeで作るには?
自社の販売単価表と確認済みの数量をClaudeに渡し、見積書の下書きを作る手順です。単価の照合、コピーできるプロンプト4本、架空の完成例、AIの計算を人が検算する方法と、お客様情報を入力する前の注意をまとめました。
この記事の要点
- 単価表と工事項目を照合してから計算させると、過去の見積を探して転記する手間を減らせる
- プロンプト4本(照合・下書き・検算・修正)と、置き換える箇所の表つき
- AIの金額は、行ごとの再計算とExcel等の別計算で人が必ず検算する
- お客様の氏名・住所と原価に関わる単価は入力せず、案件IDと販売単価だけで練習できる
見積書の下書きは、自社の販売単価表と確認済みの数量をClaudeに渡し、単価を照合してから計算させて作れます。金額はAIを信用しきらず、人が必ず検算します。プロンプト4本は、コピーしてそのまま試せます。
見積の下書きは5つの手順で作る
全体像は次のとおりです。各手順は、後の節でプロンプトつきで説明します。
- 販売単価表と工事項目表を用意し、お客様の個人情報と原価を外す
- プロンプト1で、工事項目と単価の対応だけを出させて確認する
- プロンプト2で、承認した対応だけを使い、税抜の下書きを作る
- プロンプト3で、行ごとの検算をさせ、担当者もExcel等で再計算する
- 修正はプロンプト4で、変更する行だけを指定して直す
この記事の目的は、過去の見積を探して転記する手間を減らし、担当者が価格と工事範囲の確認に集中できるようにすることです。住宅一棟の金額をAIに推測させる方法ではありません。数量が未確定なら、数量拾い出し表の作り方を先に使います。
どのAIに何を任せる?
AIが担当するのは、単価の照合と、決められた式での表づくりです。単価や数量、金額の確定は人が行います。
| 担当 | 今回の役割 |
|---|---|
| Claude | 項目と単価の対応づけ、見積表の作成、検算の補助 |
| 積算担当 | 数量と単価の確認、Excel等での再計算 |
| 責任者 | 対象外・税・端数の判断、お客様へ出す可否 |
AIには、利益率や値引き、似た商品への置き換えを決めさせません。使ってよい販売単価だけを渡します。
お客様の情報や単価表はどこまで入力してよい?
見積には、お客様の個人情報と、会社の内部情報が含まれます。入力前に、次の3点を確認します。
| 確認すること | 実務でのやり方 |
|---|---|
| 社内ルール | 外部AIへの入力が認められているかを、先に上司や管理者へ確認する |
| お客様の情報 | 氏名・電話・住所は入れず、案件IDで呼ぶ。協力会社の担当者名も同じ |
| 単価表 | 原価・利益率の列は外し、見せてよい販売単価だけを渡す |
個人情報保護委員会は2023年6月、生成AIサービスの利用について注意喚起を公表しています。検索結果の抜粋で確認した範囲では、個人情報を含むプロンプトを入れる前に、利用目的の範囲内かを確認するよう求められています。
学習への利用設定の名称や初期値は、サービスとプランで異なります。最新の内容は公式で確認してください。設定をオフにしても、個人情報や原価を入れてよいという意味にはなりません。
練習用の単価表と数量はどう準備する?
以下はすべて架空の数字です。相場・推奨価格ではありません。題材は住宅の内装工事の一部です。
| 単価ID | 仕様・単位・税抜販売単価 |
|---|---|
| P01 | 壁クロス・標準A/㎡/1,200円。材料・施工。下地補修は別 |
| P02 | 床材・標準B/㎡/8,000円。材料・施工。撤去は別 |
| P03 | 室内ドア・標準C/箇所/45,000円。材料・取付。枠補修は別 |
数量は壁クロス40㎡、床材12㎡、室内ドア2箇所とします。別に「下地補修(W04)」がありますが、単価表に該当項目がなく、数量も未確認です。今回は対象3項目の税抜小計だけを作り、税・諸経費は未計算とします。
単価表CSVと工事項目CSVは、そのまま練習に使えます。ファイルを使わないなら、上の表と数量を会話に貼っても進められます。
4つのプロンプトで下書きから検算まで進める
新しい会話を開き、プロンプトを1本ずつ実行します。前の出力を確認してから次へ進むと、誤りがどこで入ったかが分かります。
プロンプトのうち、[ ]の中は自社の内容に置き換えます。
| [ ]の中 | 入れるもの |
|---|---|
| [ここに単価表と工事項目表を貼る] | 原価を外した販売単価表と、数量を確認済みの工事項目表 |
| [承認した行を貼る] | プロンプト1の出力から、担当者が承認した対応行 |
| [下書きの表を貼る] | プロンプト2で出た見積の下書き |
1 素材を渡し、単価との対応を確認する
単価表と工事項目表を添付します。ファイル作成が使える環境では、最後にExcelを受け取れる場合があります。添付できないときは、表を貼ります。
住宅工事の見積書の下書きを作ります。
素材:添付した自社販売単価表と工事項目表。添付がなければ次の表を使ってください。
[ここに単価表と工事項目表を貼る]
まず各工事項目と単価表の対応だけを示してください。
列:工事項目ID/仕様/数量/単位/候補の単価ID/一致根拠/確認事項。
仕様・単位・適用日が一致する場合だけ候補にしてください。
似た商品への置き換え、ネット相場での補完、数量の推測は禁止です。
単価や数量がない項目は「要確認」として残してください。
単価は税込か税抜か、原価か販売価格かも確認してください。
この段階では合計を出さず、私の確認を待ってください。
確認するのは数字だけではありません。「材料のみ」と「材料・施工込み」の取り違えや、㎡と坪の混同がないかを見ます。適用期間が不明なら、現行の単価か担当者に確認してから進みます。
2 承認した対応で見積の下書きを作る
確認済み対応表:[承認した行を貼る]
この対応だけを使い、税抜の見積下書きを作成してください。
列:工事項目ID/項目/仕様/数量/単位/単価ID/販売単価/金額/含む範囲。
金額は数量×販売単価。計算方法を式で示してください。
未確認の行は0円にせず別の「未確定事項」表に移してください。
小計は「確定した対象項目の税抜小計」と表記し、総工事費と呼ばないでください。
今回の練習では税・諸経費・下地補修・撤去・枠補修は含めません。
Excelを作れる場合は、明細の金額と小計を数式にし、未確定事項を別シートにしてください。
作れない場合はMarkdown表とCSVを出してください。見積の自動送信はしません。
3 AIに検算させ、人も別の方法で再計算する
AIが出した金額は、同じAIにもう一度見直させます。ただし、同じ会話の自己確認だけでは見落としが残ります。担当者の再計算を必ず重ねます。
下書きの表:[下書きの表を貼る]
金額を検算してください。直す前に、確認だけを行います。
1 各行を「数量×単価=金額」の式で書き直し、表の金額と一致するか示す。
2 全行の金額を足した式を書き、表の小計と一致するか示す。
3 数量・単位・単価IDが、確認済みの対応表から変わっていないか行ごとに比べる。
4 不一致は黙って直さず、行番号と差額だけを報告する。
5 一致した行も「一致」と書き、確認していない項目があれば挙げる。
AIの検算が「一致」でも、安心しきらないでください。担当者は次の再計算を行います。
- 数量×単価を電卓か、Excelの別シートで計算し、AIの金額と照らす
- Excelの合計関数で小計を出し、AIの小計と一致するか見る
- 単価表の元の値と、下書きの単価が一致するか目で照らす
4 修正は変更する行を指定する
工事項目W02の床材の数量を12㎡から14㎡に変更します。
単価P02の8,000円、他の行、対象外の条件は変えません。
変更行の旧金額・新金額・差額、小計の変化を示してください。
未確定事項は未確定のまま残してください。
確認後に別名のファイルを作り、元の見積は残してください。
修正後も、プロンプト3の検算と担当者の再計算をやり直します。
出力はどう読む?完成例と直し方
プロンプト2を架空の入力で実行した場合の、期待する回答の見本です。編集部が架空の入力から作った完成見本で、Claudeの実測出力ではありません。金額は架空の例で、数量と単価から検算しています。
| 項目 | 数量×単価=税抜金額 |
|---|---|
| W01 壁クロス・標準A(P01) | 40㎡×1,200円=48,000円 |
| W02 床材・標準B(P02) | 12㎡×8,000円=96,000円 |
| W03 室内ドア・標準C(P03) | 2箇所×45,000円=90,000円 |
| 対象3項目の税抜小計 | 234,000円 |
下地補修W04は単価も数量も未確定のため、小計の外に残します。床材を14㎡へ変更した場合は112,000円となり、小計は250,000円、差額は16,000円です。
完成見本CSVは登録なしで開けます。CSVは計算済みの値で、Excelの数式入りファイルではありません。
出力に問題があるときは、次の表で直します。
| 症状 | 直し方 |
|---|---|
| 不明な項目に価格が入る | 元の単価IDがない行を未確定表へ戻す |
| 税抜と税込が混ざる | 単価表の税区分を確認し、対象を揃える |
| 小計を工事全体の総額と書く | 対象項目と除外範囲を見出しに明記する |
| 古い価格を拾う | 単価表の版・適用日を固定して再照合する |
| 検算で金額が不一致になる | 不一致の行だけ、数量と単価を示して計算し直させる |
| 数量が勝手に変わる | 確認済みの対応表を貼り直し、数量を変えないよう指示する |
自社の見積様式へ移す前に何を確認する?
AIの下書きは、お客様へ出す見積ではありません。転記する前に、積算担当か責任者が次を確認します。
- 数量、単価、仕様が元の資料と一致しているか
- 対象外の工事と未確定事項が、見積に明記されているか
- 税、端数、諸経費の計算方法が自社の様式どおりか
- 見積の有効期限と、単価表の適用日が合っているか
まず一部の工種で使い、社内確認を通った手順を再利用してください。他社見積を扱う場合は、見積比較のガイドで含む工事の違いから整理できます。数量の根拠づくりは、数量拾い出し表の作り方から始めます。
よくあるご質問
掲載の完成例は実際のAI出力ですか?
編集部が架空の入力から作った見本です。Claudeで実行した結果ではありません。AIの出力は入力や利用環境で変わるため、元の素材と照合して確認する参考として使ってください。登録や資料請求は不要です。
AIが出した見積の金額をそのままお客様に出してよいですか?
出さないでください。AIの下書きは、積算担当や責任者が数量・単価・仕様・対象外を確認し、別の方法で再計算してから使います。AIは計算を間違えることがあります。
単価表にお客様の名前や原価が入っていてもよいですか?
入れないでください。氏名・住所は案件IDに置き換え、原価や利益率の列は外して販売単価だけを渡します。外部AIへの入力が認められているかは、先に社内ルールを確認します。
ChatGPTでも同じ手順で使えますか?
プロンプトは文章で指示するだけなので、ChatGPTにも貼れます。ファイルの添付や作成、計算の実行方法はサービスとプランで異なるため、公式ヘルプで確認してください。
単価表にない項目はどうなりますか?
0円や似た商品の単価で埋めず、「未確定事項」として小計の外に残します。単価を決めるのは人です。本文のプロンプトで、この扱いをAIに指定できます。