図面チェックで平面図と建具表の不整合をClaudeで探すには?
平面図と建具表の同じ建具番号を並べ、記載の食い違いを設計担当への確認候補にまとめる手順です。文字・表に起こした情報での照合、コピーできるプロンプト3本、架空の完成例、図面の機密の扱いまで。
この記事の要点
- 平面図と建具表の同じ番号を照合し、食い違いを確認候補にできる
- 図面は人が文字・表に起こした情報で照合するのが基本。AIは寸法を読み違える前提
- プロンプト3本(読み取り表・照合・確認メール)と架空の完成例
- 合否・安全・法適合の判断は設計者・担当者。AIの指摘は確認候補にとどめる
平面図と建具表で、同じ建具番号の記載を並べて食い違いを探す作業は、Claudeで補助できます。ただしAIは寸法や数量を読み違えます。出てくるのは確認候補で、合否・安全・法適合の判断は設計者・担当者が行います。
不整合探しは6つの手順で進める
全体像は次のとおりです。各手順は後の節でプロンプトつきで説明します。
- 社内のAI利用ルールと、入力してよい範囲を確認する
- 担当者が、対象階の建具番号・寸法を表に起こす(案件名は案件IDにする)
- プロンプト1で、資料ごとの読み取り表を作り、人が原図と照合する
- プロンプト2で、同じ番号の記載を比べ、確認候補の一覧を作る
- 担当者が元図で一件ずつ追跡し、設計担当へ確認する
- プロンプト3で確認メールの下書きを作り、人が内容を見て送る
作るのは設計担当に渡す確認一覧です。間取りの提案は間取り提案ガイドが扱います。本記事は図書間の照合です。
どのAIに何を任せる?
AIが担当するのは、表の整理・照合・文章化の補助です。図面が正しいかどうかの判断は担当しません。
| 担当 | 今回の役割 |
|---|---|
| Claude | 表に起こした記載を並べ、食い違いの候補と確認文を作る |
| 担当者 | 表への転記、原図との照合、確認メールの送信 |
| 設計者 | 採用寸法の判断、合否・安全・法適合の判断 |
AIにさせないことは、寸法の計算や推定、番号違いの統合、「問題なし」の断定です。最初は一つの階の建具だけに絞ります。
図面や物件の情報はどこまで入力してよい?
図面にはお客様の情報と、設計の機密が含まれます。入力前に、次の3点を確認します。
| 確認すること | 実務でのやり方 |
|---|---|
| 社内ルール | 外部AIへの入力が認められた資料かを、上司や管理者に確認する |
| 匿名化 | 氏名・住所・敷地情報は入れず、案件IDで呼ぶ |
| 設計者の了解 | 設計図書を入力してよいか、設計担当に先に聞く |
学習設定の項目名や初期値は、サービスやプランで異なります。本記事では取得できていないため、最新の内容は公式ヘルプで確認してください。
設定を確認しても、機密を入れてよいことにはなりません。迷う場合は、番号と寸法だけの表に起こして使います。
図面は表に起こしてから照合する
PDFや画像を添付できる場合もありますが、図面の寸法や位置関係を正確に読めるかは、本記事では確認できていません。断定せず、読み取りは候補として扱います。
基本は、人が原図を見て建具番号・寸法を表に起こし、その文字情報で照合する方法です。表にする項目は次のとおりです。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 資料名 | 図面番号・改訂日・ページ |
| 建具の記載 | 番号・幅・高さ・単位 |
| 寸法の意味 | 枠外寸法か有効開口か |
寸法が同じでも、測る対象が違えば比べられません。数字だけで不整合とは決めず、新旧の改訂が混ざっていないかも先に確かめます。
図面が手元になければ、次の架空データで流れを試せます。
練習用・架空データ。寸法単位はmm。いずれも枠外寸法とする。
平面図A-01/改訂03/1ページ:D01 幅800・高さ2000、D02 幅700・高さ2000
建具表A-05/改訂03/1ページ:D01 幅750・高さ2000、D03 幅700・高さ2000
D02とD03が同じ建具かは不明。
3本のプロンプトで確認メールまで進める
前の出力を確認してから次へ進みます。一度に頼むと、誤りがどこで入ったか分かりません。置き換える場所は次のとおりです。
| [ ]の中 | 入れるもの |
|---|---|
| [対象階・範囲] | 例:1階の建具 |
| [資料ごとの表] | 人が起こした番号・寸法の表(匿名化済み) |
| [確認済みの表] | プロンプト1の結果を、人が直したもの |
| [回答期限] | 日付。未指定なら空欄 |
プロンプト1:記載を一覧にそろえる
以下は、人が原図から起こした建具の表です。対象:[対象階・範囲]
[資料ごとの表を貼る]
列:資料名/ページ/建具番号/幅/高さ/単位/寸法の意味/読み取り状態。
表にある記載だけを転記し、寸法の計算や推定はしないでください。
書かれていない項目は「記載なし」、読めない文字は「判読不可」とします。
似た番号を同一と判断せず、原文も残してください。
まず表だけを出し、比較は私の確認を待ってください。
添付した図面をAIに読ませた場合は、結果を候補として扱い、必ず原図と照合します。例えば「D01の幅は800、AIの読んだ600は誤り」と直し、直した表を次の指示に貼ります。
プロンプト2:同じ意味の項目だけ比べる
以下は人が原図と照合した表です:[確認済みの表を貼る]
同じ建具番号をキーに、資料間の記載を比べてください。
寸法の単位と測定対象がそろう場合だけ数値を比べます。
列:確認ID/建具番号/平面図の記載/建具表の記載/根拠ページ/状態/次に聞くこと。
状態は「一致」「記載差あり」「対応先なし」「条件不足」の4つ。
番号違いを推測で統合しないでください。
設計の正誤、法規適合、安全、施工可否は判断せず、確認候補として出してください。
プロンプト3:設計担当への確認メールを作る
照合結果:[確認済みの表を貼る]
設計担当へ送る確認メールの下書きを作成してください。
件名に案件IDと対象図面、本文に確認ID・記載の違い・確認したい内容を入れます。
責める表現を避け、「誤り」ではなく「記載について確認」と書いてください。
回答期限は[回答期限]。訂正値や承認済みの扱いを作らないでください。
出力はどう読む?完成例と直し方
編集部が上の架空データから作った完成見本です。Claudeの実測出力や、実案件の指摘ではありません。
| ID | 確認候補の内容 |
|---|---|
| C01 | D01:平面図A-01は幅800、建具表A-05は幅750。記載差あり。採用する幅を設計担当へ確認 |
| C02 | D02:平面図に幅700、建具表に対応行なし。建具番号の対応を確認 |
| C03 | D03:平面図に記載なし、建具表に幅700。平面図の記載位置を確認 |
確認メールの例は次のとおりです。
件名:A邸・改訂03 建具寸法と番号の確認
A-01とA-05の記載について確認をお願いします。D01の幅が800mmと750mmで異なっています。また、平面図のD02と建具表のD03の対応が確認できませんでした。採用寸法と番号の対応をご教示ください。
一覧に修正担当・回答日・回答内容を足すと、確認漏れを追えます。AIの出した差分をそのまま施工指示にせず、回答を受けて確定します。
初稿によくある誤りと直し方
| 症状 | 直し方 |
|---|---|
| D02をD03へ勝手に統合 | 番号は原文のまま残し、対応候補は別欄へ |
| 幅を図の比率で推定 | 記載寸法だけを採用し、未記載は空欄へ |
| 新旧図面の差を不備扱い | 改訂日を比べ、版違いは照合対象から分ける |
| 「問題なし」とまとめた | 確認できた対象と未確認の対象を分けて列挙 |
| 数字を読み違えた | 原図の値を示し、該当行だけ作り直させる |
読み違いを直すときは、次の共通プロンプトを使います。
直前の出力の[該当箇所]を修正してください。
原図の記載:[人が確認した値を貼る]
原図にない内容は削除し、不明な点は「人が確認」として残してください。
修正箇所と理由を示し、ほかの確認済み部分は変えないでください。
使う前に何を確認する?
AIの結果は、網羅的な検図の証明にはなりません。見落としもあるため、AIが挙げなかった箇所に問題がないとは言えません。
送る前に、次の4点を確認します。
- 氏名・住所・敷地情報を除き、社内ルールの範囲で入力した
- 起こした表の値を、人が原図と一件ずつ照合した
- 確認IDごとに元図を開き、担当者が内容を確かめた
- 合否・安全・法適合は、設計者の判断として残した
確認した変更は仕様変更の整理へ、仕様の根拠探しは仕様書AIの使い方へつなげられます。まず一つの階で試し、読み取りの訂正箇所を記録してから広げましょう。
よくあるご質問
完成例は実際のAI出力ですか?
いいえ。架空の素材から編集部が作った見本です。AIの出力は入力や利用環境で異なるため、必ず元の図面と照合してください。
AIが「不整合なし」と答えたら、図面は問題ないと言えますか?
言えません。AIは寸法や数量を読み違えたり、見落としたりします。図面チェックの合否は設計者・担当者が元図で確認して判断します。
図面のPDFや画像をそのままClaudeに読ませてよいですか?
読める範囲は図面の作り方や利用環境で変わり、本記事では正確に読めると断定しません。基本は人が建具番号と寸法を表に起こし、その表で照合します。
お客様の物件の図面を外部AIに入力してもよいですか?
先に社内のAI利用ルールを確認してください。氏名・住所・敷地情報は案件IDなどに置き換え、設計者にも入力してよい範囲を確認します。
建築基準法などへの適合もAIに確認させられますか?
させないでください。法適合や構造の判断は、設計者や専門家が行います。本記事は記載の食い違いを探す補助に限ります。