月末の発注書と請求書の照合をClaudeでするには?
発注明細と請求明細をIDでそろえ、一致・差異・対応先なしに分けて確認する手順です。協力会社名と金額の匿名化、AIの計算ミスを前提にした原本照合とExcelでの再計算、コピーできるプロンプト4本、架空の完成例、直し方まで。
この記事の要点
- 発注明細と請求明細を、一致・差異・対応先なしの一覧に分けられる
- AIの計算ミスを前提に、原本との照合とExcelでの再計算を手順に入れる
- プロンプト4本(対応表・差異表・確認メール・分割請求)と架空の完成例
- 支払いの可否は経理・責任者が決める。インボイス・電子保存は公式で確認
発注書と請求書の照合は、明細IDをそろえて表にし、Claudeに「一致・差異・対応先なし」を分けさせると進めやすくなります。AIは金額を誤ることがある前提で、原本とExcelの再計算で確認し、支払いの可否は経理・責任者が決めます。
照合は6つの手順で進める
全体像は次のとおりです。各手順は後の節でプロンプトつきで説明します。
- 担当者が、発注明細と請求明細を同じ案件・同じ期間で表にまとめる
- 協力会社名を「会社A」のようにコード化し、お客様の氏名・住所を案件IDに置き換える
- プロンプト1で、明細IDごとの対応表を作り、担当者が原本と見比べる
- プロンプト2で差異表を作り、Excelで数量×単価と合計を再計算する
- プロンプト3で、取引先への確認メールの下書きを作る
- 経理・責任者が、納品記録や変更承認を見て支払いの可否を決める
作るのは確認用の一覧です。支払いの承認や送金はAIに任せません。
どのAIに何を任せる?
AIが担当するのは、行の対応づけ、差額の計算、確認事項の文章化です。数字が合っているかの最終確認と、支払いの判断は人が行います。
| 担当 | 今回の役割 |
|---|---|
| Claude/ChatGPT | 明細を対応づけ、差異表と確認メールの下書きを作る |
| 担当者 | 原本との突き合わせ、Excelでの再計算、取引先への連絡 |
| 経理・責任者 | 納品や変更承認の確認、支払いの可否の決定 |
AIに決めさせないことは、対応先のない請求の扱い、単位の換算、税区分の補完、支払いの可否です。差額があることと、請求が誤りであることは別の話です。追加承認書や締め日の違いが理由かもしれません。
協力会社名や金額は入力してよい?
請求書には、協力会社の名称や金額、お客様の案件情報が含まれます。入力前に、次の3点を確認します。
| 確認すること | 実務でのやり方 |
|---|---|
| 社内ルール | 外部AIへの入力が認められているかを、上司や管理者へ先に確認する |
| 匿名化 | 協力会社名は「会社A」にコード化し、お客様の氏名・住所は案件IDにする |
| 取引条件 | 取引先との契約に、情報の取り扱いの定めがないかを確認する |
学習設定の項目名や初期値は、サービスやプランで異なります。最新の内容は、各社の公式ヘルプで確認してください。設定を確認しても、機密を入れてよいことにはなりません。迷う場合は、金額を架空の数字に置き換えて練習します。
口座番号や振込先は入力しません。振込先の正しさは、AIではなく経理の手順で確認します。
練習用の素材はどう整える?
最初はCSVで練習します。PDFから始める場合は、先に読み取った行を表示させ、原本と見比べてから計算へ進みます。画像が不鮮明な数字は推測させないでください。
練習用は、すべて税抜で同じ案件H01、同じ対象期間とし、値引きや端数処理はないものとします。金額は相場ではなく架空の計算例です。
| 明細ID | 発注と請求の内容 |
|---|---|
| R01 | 材料A:発注10個×2,000円=20,000円、請求も同じ |
| R02 | 材料B:発注5個×3,000円=15,000円、請求6個×3,000円=18,000円 |
| R03 | 施工C:発注1式×40,000円=40,000円、請求1式×42,000円=42,000円 |
| R04 | 追加D:発注明細なし、請求1式×5,000円=5,000円 |
発注明細CSVと請求明細CSVで試せます。合計だけを比べず、必ず明細ごとに対応させます。
置き換える場所は次のとおりです。
| [ ]の中 | 入れるもの |
|---|---|
| [2つの表を添付/貼る] | 匿名化した発注明細と請求明細 |
| [確認済み対応表] | プロンプト1の結果を、担当者が直したもの |
| [資料を添付] | 分割請求のときの納品記録・過去請求・今回請求 |
4本のプロンプトで対応表から確認メールまで進める
前の出力を確認してから次へ進みます。全工程を一度に頼むと、誤りがどこで入ったか分からなくなります。
プロンプト1:明細の対応を確認する
発注明細と請求明細を照合します。素材:[2つの表を添付/貼る]
まず案件・取引先・対象期間・税区分・単位を確認してください。
明細IDごとの対応表を作り、両ファイルの元行番号を残す。
ID重複、空欄、対応先なし、名前だけ似ている行は別表にする。
数字が読めない場合は不明とし、推測で補わない。
この段階では支払可否や請求誤りの判断をしない。私の確認を待ってください。
対応表は、担当者が原本と見比べてから次へ進みます。
プロンプト2:差異表を作る
確認済み対応表:[貼る]
数量×単価と合計を検算し、差異表を作ってください。
列:ID/発注金額/請求金額/差額(請求-発注)/数量差/単価差/確認事項/元行。
対応する発注がない行は発注金額・差額を空欄ではなく「対応なし」と表示する。
総額の差と、対応済み行の差額、対応先なしの請求額を分ける。
「一致」は書類の数値一致だけを意味し、支払承認ではないと明記。
元データの件数・合計と出力を照合し、使用した計算式を示す。
差異表ができたら、AIの計算を信用せず、Excelで再計算します。請求金額の列に「数量×単価」の式を入れ、差額は「請求金額-発注金額」で出します。AIの表と合計が1円でも違えば、その行を原本で見直します。
プロンプト3:確認メールの下書きを作る
差異表から、取引先へ確認するメールの下書きを作ってください。
対象:R02の数量差、R03の単価差、R04の対応する発注・変更承認の確認。
誤請求と断定せず、こちらで確認できている数値と確認したい資料を分ける。
案件・明細IDを記載し、支払拒否や支払確約を加えない。
件名・本文・社内で先に確認する事項を分けて出してください。
送信するのは担当者です。下書きの数字も、差異表と見比べてから使います。
出力はどう読む?完成例と直し方
編集部が練習用データから計算した完成見本で、Claudeの実測出力ではありません。
| ID | 差異表の内容(発注→請求、差額) |
|---|---|
| R01 | 20,000円→20,000円、差額0円。数値は一致。納品の確認は別 |
| R02 | 15,000円→18,000円、差額+3,000円。数量5→6。追加承認を確認 |
| R03 | 40,000円→42,000円、差額+2,000円。単価の変更を確認 |
| R04 | 対応なし→5,000円。発注・変更承認の資料を確認 |
発注合計は75,000円、請求合計は85,000円、総額差は10,000円です。内訳は、対応済み行の差額が5,000円、対応先のない請求が5,000円です。R04を勝手に「発注0円」と扱わず、根拠不足として残します。
確認メールの例は次のとおりです。
案件H01の請求明細について確認をお願いいたします。R02は発注5個に対し請求6個、R03は単価40,000円に対し42,000円となっています。変更内容が確認できる資料をご共有いただけますでしょうか。R04についても、対応する発注または変更承認をご教示ください。
照合結果CSVを、本文と見比べられます。
初稿によくある誤りと直し方
| 症状 | 直し方 |
|---|---|
| 合計が元データと合わない | Excelの再計算結果を貼り、行ごとに再検算させる |
| 対応先なしを「発注0円」にした | 「対応なし」に戻し、根拠不足として残させる |
| 名前が似ているだけの行を結び付けた | 候補の別表に戻し、担当者が対応を決める |
| 税込と税抜が混ざっている | 税区分を明示し、同じ区分で再計算させる |
| 誤請求と断定している | 「確認したい事項」の表現に直させる |
直すときは、次の共通プロンプトを使います。
直前の出力の[該当箇所]を修正してください。
原本の値:[原文を貼る]
誤っていた内容:[記入]
原本にない推測を削除し、不明な点は「人が確認」として残してください。
修正箇所と理由を示し、ほかの確認済み部分は変えないでください。
分割請求は累計で再照合する
今回の請求は一部納品分です。納品記録・過去請求・今回請求を追加します。
[資料を添付]
比較対象を累計へ変更し、発注累計/確認済み納品累計/過去請求/今回請求/請求累計を分ける。
不足する資料があれば、照合不能と表示する。発注総額と今回請求だけで過不足を断定しない。
出来高や分割請求では、資料が足りない行を無理に埋めず、保留理由を記録します。
支払いの前に何を確認する?
数字が一致しても、請求書の必須事項や振込先の正当性まで確認したことにはなりません。インボイス制度では、登録番号や税率ごとの消費税額などの記載事項が必要と紹介されています。
電子データで受け取った請求書の保存方法は、電子帳簿保存法のルールが関わります。国税庁が「一問一答【電子取引関係】」を公開しています。要件や最新の取扱いは、国税庁の公式情報で確認してください。
本記事は公式ページの本文を取得できておらず、検索結果の抜粋で確認した範囲です。法令や税務の判断は、経理担当や税理士に相談してください。
| 確認すること | 担当 |
|---|---|
| 請求書の記載事項、電子データの保存方法 | 経理担当、または税理士 |
| 納品実績、変更承認、支払いの可否 | 経理・責任者 |
支払い前に、次の4点を確認します。
- 協力会社名と案件情報を、社内ルールの範囲でコード化して入力した
- 差異表の金額を、人が原本と1行ずつ突き合わせた
- AIの合計を、Excelで再計算して合っていた
- 納品や変更承認の記録を、経理・責任者が確認した
前工程は発注依頼書の作成、変更の整理は仕様変更一覧にあります。契約前の会社間の比較は見積の比較を使えます。ほかの実務は記事一覧から探せます。
よくあるご質問
完成見本は実際のAI出力ですか?
編集部が架空の条件から作った見本です。実際の出力は入力と環境で変わります。AIは数量や金額を読み違えたり、合計を誤ったりすることがあるため、原本とExcelで確認してください。
AIが一致と判断した請求は、そのまま支払ってよいですか?
支払わないでください。AIの一致は書類上の数値が合ったという意味だけです。納品の実績や変更承認を確認し、支払いの可否は経理・責任者が判断します。
協力会社名や金額をClaudeに入力してもよいですか?
先に社内のAI利用ルールと取引先との契約条件を確認してください。会社名は「会社A」のようにコード化し、お客様の氏名・住所は案件IDに置き換えます。
インボイス制度や電子帳簿保存法の要件も、AIで確認できますか?
本記事では扱いません。請求書の記載事項や電子データの保存方法は、国税庁の公式情報で確認し、自社の運用は経理担当や税理士に相談してください。
登録や資料請求は必要ですか?
本文の手順・プロンプト・完成例と見本ファイルは登録なしで使えます。ファイルの添付や作成機能は、プランや組織の設定で使える範囲が異なります。