営業プロセス

追客とは?読み方と意味、住宅営業が契約までの数か月にすること

公開: 著者:河野 清博
追客とは?読み方と意味、住宅営業が契約までの数か月にすること

追客とは、初回接客や商談のあと、契約に至るまでお客様との接点を持ち続ける活動のことです。読み方は「ついきゃく」。住宅は検討期間が数か月から年単位に及ぶため、この間に何を確かめられたかで結果が変わります。ALLGRIT セールスAI の導入企業でも、差がついたのは接触の回数ではありませんでした。

追客の読み方と意味は?

追客は「ついきゃく」と読みます。「追う」と「客」で、一度接点を持ったお客様を追い続ける、という意味の営業用語です。不動産業界と住宅業界で広く使われますが、一般的なビジネス用語としては定着していません。

言い換えるなら「フォロー」「追跡営業」「見込み客の育成」あたりが近い言葉になります。BtoBのマーケティング用語ではリードナーチャリングがほぼ同じ内容を指しています。

注意したいのは、追客は「追いかけること」そのものが目的ではないという点です。目的は、お客様の検討が前に進むのを支え、その過程で自社が選ばれる位置に立つことにあります。連絡を切らさないことと、選ばれることは別の話です。

なぜ住宅の追客は数か月に及ぶのか

住宅は一度の商談で決まる商品ではありません。国土交通省の令和6年度住宅市場動向調査では、注文住宅を取得した世帯が比較検討した住宅は「注文住宅」が91.7%でした。ほぼ全員が複数の会社を見比べている、ということです。

比較の期間中、お客様は土地・資金・間取り・時期といった条件を並行して詰めていきます。どれかが決まらなければ次に進めないため、検討そのものが止まる時期も生まれます。

止まり方にも種類があります。土地が見つからない、資金の見通しが立たない、家族の意見がまとまらない。どれも本人の意思の問題ではなく、外の条件が揃っていない状態です。

つまり追客の期間は、お客様が迷っている時間ではなく、決めるべきことを順番に片づけている時間です。ここに立ち会えているかどうかが、番手を分けます。

同じ調査では、その住宅を選んだ理由の1位が「信頼できる住宅メーカーだったから」で55.3%でした。信頼は一度の接客ではなく、この数か月の積み重ねで形になります。

追客・フォローアップ・ナーチャリングの違い

呼び方が業界ごとに分かれているだけで、指している中身はほぼ同じです。他業界の記事を読むときは、次のように読み替えると話が通ります。

呼び方主に使う業界指している内容
追客住宅・不動産接点を持ち続け、検討が進むのを支える
フォローアップ一般営業商談後の連絡・確認
リードナーチャリングBtoB・SaaS見込み客を育成し、商談化させる
インサイドセールスBtoB訪問前の接点を専任の担当が持つ

住宅で事情が違うのは、期間が長いことと、比較されている相手が常に複数いることの2点です。BtoB向けのメール配信を中心にした方法をそのまま持ち込んでも噛み合わないのは、この違いが理由になります。

追客で確かめる4つのこと

追客の中身は、前回の商談で確かめきれなかったことを確かめることです。何を聞くかを決めずに連絡すると、用件が「その後いかがですか」で終わります。

確かめること分かること
他社の提案で良いと思った点現時点の番手と、比較の軸
前回から変わった条件・要望予算や土地の前提が動いていないか
次に決めたいこと検討が進んでいるか、止まっているか
決めるのに足りていない情報こちらが次に渡すもの

1つ目は聞きにくい項目ですが、他社を否定せずに「どこが良いと思われましたか」と聞けば、比較の軸そのものが分かります。相手を落とす材料ではなく、自社が何を伝えきれていないかを知るための質問です。

4つ目が特に抜けやすい項目です。お客様が止まっているのは迷っているからではなく、判断材料が足りていないからという場合が少なくありません。

導入企業の商談解析データでは、本命候補として扱われている商談の成約率は約30〜40%でした。追客の目的は接触の履歴を作ることではなく、この位置に入ることにあります。

メールと電話はどう使い分けるか

経路そのものに優劣はありません。目的が違うだけです。

追客メールを送るときは、件名で用件が分かるようにし、本文は前回の続きから書き始めます。挨拶のあとに近況を尋ねるだけの文面は、返信する理由がないため止まります。

具体的には、前回出た論点への答えを1つ入れ、次に決めたいことを1つ置きます。土地の条件を詰めている段階なら候補地の情報、資金の段階なら返済計画の比較、という形です。

逆に避けたいのは、資料をまとめて何通も送ることです。読む負担だけが増え、次に何を決めればよいのかが埋もれます。1通につき論点は1つに絞ります。

電話は、メールに反応がない相手にこそ意味があります。反響を受けた直後の架電については、見込み客リストへの電話で通話率の上げ方をまとめています。

追客が続かなくなる原因はどこにあるか

続かない原因は、担当者の意欲ではありません。前回の商談で何を話したかが手元に残っていないことが、ほとんどの場合の原因です。

記録が担当者個人の記憶にしかないと、連絡する前に「何を聞くはずだったか」を思い出すところから始めなければなりません。この一手間が、日々の業務のなかで後回しになります。

新設住宅着工戸数は令和7年で74万667戸、前年比6.5%減でした。持家に限れば20万2,185戸で7.7%減です。1件あたりにかけられる時間が増える見込みは薄く、だからこそ思い出す作業そのものをなくすことが効きます。

マネジメント側から見ても同じです。担当者の報告だけでは、止まっている案件が「追客中」のまま並び続けます。どの案件で何が確かめられていないかが分からなければ、支援のしようがありません。

商談の記録が自動で残っていれば、追客は前回の続きから始められます。接客を含む全商談を記録して見直す運用に切り替えた導入企業では、来場成約率が12%から25%へ改善しました。

まとめ

追客は「ついきゃく」と読み、契約までの数か月をお客様と一緒に進む活動です。回数を増やすことではなく、確かめるべきことを確かめられているかどうかで結果が決まります。

回数の目標を置くよりも、次に確かめることを1つ決めてから連絡する。これだけで、同じ件数の追客でも中身が変わります。

用語としての整理は追客の用語ページに、フォローの設計手順は住宅営業のフォローアップにまとめています。商談の記録から追客までをどうつなぐかは、資料でご覧いただけます。

よくあるご質問

追客の読み方は?

「ついきゃく」と読みます。「追う」と「客」を組み合わせた営業用語で、不動産業界と住宅業界で広く使われます。一般的なビジネス用語としては定着していないため、社外向けの文書では「フォロー」と言い換えることもあります。

追客とフォローアップ、リードナーチャリングは違うものですか?

指している中身はほぼ同じで、使う業界が違うだけです。住宅・不動産で追客、一般営業でフォローアップ、BtoBのマーケティングでリードナーチャリングと呼ばれます。住宅で異なるのは、期間が長く、常に複数社と比較されている点です。

追客はどのくらいの頻度で行うべきですか?

頻度そのものに正解はありません。目的のない連絡を増やしても番手は上がらないためです。次に確かめたいことが生まれた時点で連絡する、という基準のほうが機能します。土地や資金の状況が動くタイミングが目安になります。

追客メールには何を書けばよいですか?

前回の商談で出た論点への答えを1つと、次に決めたいことを1つ入れます。「その後いかがですか」だけの文面は返信する理由がないため止まります。件名で用件が分かるようにしておくことも、開封率に直結します。

追客をやめる基準はありますか?

他社で契約された場合は失注として扱い、掘り起こしの対象から外します。まだどことも契約していない場合は、検討が止まっているだけなので休眠顧客として残します。この2つを分けずに同じリストに置くと、掘り起こし自体が続かなくなります。

出典・参考

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