商談から設計への引き継ぎシートをChatGPTで作るには?
商談メモをChatGPT・Claudeに貼り、お客様の発言・営業の提案・未確認を分けた設計向けシートにする手順です。匿名化の考え方、コピーできるプロンプト3本、架空の完成例、よくある誤りの直し方を載せました。
この記事の要点
- 引き継ぎシートは「お客様の発言」「営業の提案」「未確認」を分けて作ると、設計が確定事項を取り違えにくい
- お客様の氏名・連絡先は入れず、案件IDと発言IDに置き換えてから貼る
- プロンプト3本(発言の切り分け・シート化・次回質問)と架空の完成例つき
- 資金・土地・時期・競合・自社の評価ポイント・親族は、メモに発言があるものだけ書き、なければ未確認にする
商談から設計への引き継ぎは、メモをChatGPTかClaudeに貼り、お客様の発言・営業の提案・未確認を分けたシートにして作れます。AIに要望を推測で補わせず、確認済みの事実だけを設計へ渡します。
引き継ぎシートは5つの手順で作る
初回ヒアリングは何を聞くか、住宅提案書はお客様へ何を提案するかが中心です。本記事は、その間にある社内の引き継ぎだけを扱います。
- 商談メモに発言IDを付け、お客様の氏名・連絡先を案件IDなどに置き換える
- 新しい会話に貼り、プロンプト1で発言と要望を対応させる
- 人が原文と照合し、プロンプト2で設計向けのシートにする
- プロンプト3で、営業と設計が次回聞く質問を作る
- 回答が得られた行だけ、状態と更新日を書き換える
古い要望と新しい要望が食い違うときは、双方の日付を示してください。新しい発言が過去の合意を撤回したとは限らないため、AIだけで履歴を上書きさせません。
どのAIに何を任せる?
AIが担当するのは、発言の整理と文章化です。何を確定とするかの判断は人が行います。
| 担当 | 今回の役割 |
|---|---|
| ChatGPT/Claude | 発言を要望ごとに並べ、状態と次回質問の案を作る |
| 営業担当 | メモへの発言ID付け、匿名化、原文との照合 |
| 設計担当 | 検討に足りない点の指摘、回答後の更新確認 |
設計へ渡す情報は、次の4つに分けて残します。AIに「いい感じにまとめて」と頼むだけだと、短くする過程で未確定の情報が確定事項に見えることがあります。
| 分ける情報 | 書き方と避けたい変換 |
|---|---|
| お客様の発言 | 「室内干しができると助かる」と書く。ランドリールームが必須とは決めない |
| 営業の提案 | 「回遊動線を紹介した」と書く。合意したとは書かない |
| 未確認 | 「洗濯量と利用時間が不明」と書く。家族の生活パターンを推測しない |
| 優先度 | 「次回確認」と書く。発言回数で順位を付けない |
お客様の情報はどこまで入力してよい?
商談メモには個人情報が含まれます。入力前に、次の3点を確認します。
| 確認すること | 実務でのやり方 |
|---|---|
| 社内ルール | 録音や文字起こしの利用、外部AIへの入力が認められているかを、先に上司や管理者へ確認する |
| 匿名化 | 氏名・電話・住所・勤務先は入れず、案件IDと「お客様A」で呼ぶ |
| 学習設定 | ChatGPTやClaudeの設定で、会話をモデル改善に使う設定を確認する |
学習設定の項目名や初期値は、サービスやプランで異なります。本記事は公式ヘルプの検索結果の抜粋で確認した範囲で、本文までは取得できていません。最新の内容は公式で確認してください。
設定をオフにしても、個人情報を入れてよいという意味にはなりません。匿名化は続けます。
発言ID付きのメモと6つの確認項目はどう用意する?
メモは、発言者の区別と発言IDを残して貼ります。次は、編集部が作った架空のメモです。
以下は架空の商談メモ。案件A。設計条件・予算の合意はまだない。
M01 お客様A:雨の日でも室内で洗濯物を干せると助かります。
M02 お客様B:玄関にベビーカーを置きたいです。
M03 お客様A:LDKも広くしたい。収納とどちらを優先するか迷っています。
M04 営業:洗面の横に干す場所を設ける方法もあります。
M05 お客様B:その方法は見てみたいですが、まだ決められません。
M06 営業メモ:洗濯量、ベビーカー寸法、必要な収納量は未確認。
実際のメモには、商談日・版・担当者も加えます。「営業の感触」は書かず、お客様が実際に何と言ったかを残します。「感触は良いです」だけが上がったら、「お客様は実際に何と言っていましたか」と聞き返してください。
設計の判断に関わる情報は、住宅商談の6つの確認項目にそろえると抜けを見つけやすくなります。
| 項目 | 設計との関わり |
|---|---|
| 資金 | 仕様や面積を選ぶ前提。上限が出ているかを確認 |
| 土地 | 敷地条件、検討中か購入済みか |
| 時期 | 入居希望、ローン・土地契約などの期限 |
| 競合 | 比較している会社と、お客様が見ている点 |
| 自社の評価ポイント | お客様が当社に良いと言った点。提案の軸になる |
| 親族 | 同居・二世帯の予定、意思決定に関わる家族 |
メモに発言がない項目は、AIに埋めさせず「未確認」と書かせます。
3つのプロンプトで引き継ぎシートを作る
前の出力を原文と照合してから次へ進みます。全工程を一度に頼むと、誤りがどこで入ったか分からなくなります。置き換える場所は次のとおりです。
| [ ]の中 | 入れるもの |
|---|---|
| [記入] | 案件IDと商談日 |
| [貼る](プロンプト1) | 匿名化した発言ID付きメモ |
| [貼る](プロンプト2) | 人が確認し直した要望表 |
| [貼る](プロンプト3) | 設計向けの引き継ぎシート |
1 発言と解釈を切り分ける
住宅の商談メモを設計担当へ引き継ぎます。
対象案件・商談日:[記入]
発言ID付きメモ:[貼る]
列:発言ID/発言者/原文/要望の要約/状態/確認が必要な点。
状態は「希望」「営業提案」「明示的な合意」「未確認」のいずれか。
「見てみたい」「検討する」を合意へ変えないでください。
優先度・予算・寸法・家族の生活習慣を推定しないでください。
原文にない要望は追加しません。
2 設計担当向けのシートに整える
人が確認した要望表:[貼る]
社内の設計引き継ぎシートを作ってください。
構成:案件IDと版/お客様の希望/提案したが未合意の案/要望間の調整点/未確認事項。
資金・土地・時期・競合・自社の評価ポイント・親族は、メモに発言がある項目だけ書き、ない項目は「未確認」とする。
各要望に発言IDを残します。必須と希望の区別は明示された場合だけ付けます。
各行に「設計担当が検討すること」と「営業が次回聞くこと」を分けてください。
間取りを確定したり、費用や納期を約束したりしないでください。
3 次回の確認質問を用意する
引き継ぎシート:[貼る]
次回の確認質問を、重要な不明点から5問以内で作ってください。
「○○が必要ですよね」のような誘導を避け、具体的な生活場面を聞きます。
質問/聞く理由/回答が設計のどの判断に関係するか/担当者(未指定なら未定)を表にしてください。
未確認の優先順位を、この出力で勝手に確定しないでください。
出力はどう読む?完成例と直し方
以下は、編集部が架空のメモから作った期待する回答の見本です。実際の商談やAI出力の記録ではありません。
| 根拠 | 内容(状態)と次に確認すること |
|---|---|
| M01 | 雨天でも室内干ししたい(希望)。洗濯量・干す時間・乾燥機利用を確認 |
| M02 | 玄関にベビーカーを置きたい(希望)。使用中の寸法・置き方を確認 |
| M03 | LDKの広さと収納を両立したい(優先度未確認)。面積配分で何を先に確保するか確認 |
| M04・M05 | 洗面横に干す場所を設ける案(営業提案・未合意)。参考例を見て使い方を確認 |
| 資金・土地・時期・競合・自社の評価ポイント・親族 | このメモには発言なし。すべて未確認 |
設計担当への引き継ぎ:室内干しと玄関収納の希望があります。洗面横の配置は営業が紹介した案で、採用は未決定です。LDKと収納の優先度も未確認のため、次回の回答を受けて検討条件を更新します。
次回の質問は、設計への影響とセットで並びます。
| 次回の質問 | 設計への影響 |
|---|---|
| 洗濯はいつ、どのくらいの量を干しますか? | 干す場所の広さと動線 |
| ベビーカーは開いたまま置きますか? | 置き場の寸法と出し入れ |
| 今の住まいで、広さや収納に困るのはどんな場面ですか? | 優先順位を決める材料 |
引き継ぎシートのCSV見本も同じ内容で用意しています。表計算ソフトへ読み込み、担当・回答・更新日の列を足して使えます。
初稿によくある誤りと直し方
| 症状 | 直し方 |
|---|---|
| ランドリールーム必須と書いた | 原文は室内干しの希望。部屋の形式は未定へ戻す |
| 営業提案を合意として記載 | 発言者と状態を分けて再出力 |
| 要約だけで根拠がない | 全行に発言IDを付け、対応できない行を削除 |
| 古い要望を消した | 変更前・変更後・確認日を分けて履歴を残す |
| 資金や親族の事情が書かれている | メモに発言がなければ削除し、未確認へ戻す |
直すときは、次の共通プロンプトを使います。
直前の出力の[該当箇所]を修正してください。
確認済みの事実:[原文を貼る]
誤って追加された内容:[記入]
原文にない情報を削除し、不明な点は未確認として残してください。
修正箇所と理由を示し、ほかの確認済み部分は変えないでください。
使う前に確認すること
設計へ渡す前に、次の3点を確認します。
- 氏名・連絡先を除き、社内のAI利用ルールの範囲で入力した
- 各行に発言IDがあり、営業の提案を合意として書いていない
- 資金・土地・時期などを、AIの推測で埋めていない
引き継ぎ後は、設計から返ってきた質問を同じシートへ追記します。回答を得た行だけ更新し、全項目を一括で「確認済み」にしない運用にしてください。
具体的な変更が決まったら仕様変更一覧へ、提案に進むときは提案資料の作り方へつなげます。商談の記録そのものを整える方法は商談議事録にあります。
よくあるご質問
ChatGPTとClaudeのどちらでも使えますか?
本文のプロンプトは文章で指示するだけなので、どちらにも貼れます。ファイルの添付や作成はプランや組織の設定で使える範囲が異なります。添付できないときは、匿名化したメモを文字で貼ってください。
商談メモにお客様の名前や連絡先を入れてもよいですか?
まず社内のAI利用ルールを確認してください。氏名・電話・住所・勤務先は入れず、案件IDと「お客様A」のような呼び方に置き換えます。学習への利用設定はサービスやプランで異なるため、各公式ヘルプで確認します。
AIが要望を推測で補ってしまったらどうしますか?
原文の発言IDに対応しない行は削除し、不明な点は「未確認」に戻します。本文の「症状→直し方」の表と、修正用の指示文を使えます。
完成例はChatGPTやClaudeの実測結果ですか?
いいえ。編集部が架空のメモから作った見本です。実際の出力は入力と環境で変わるため、原文と照合して使ってください。CSV見本は登録なしで利用できます。