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住宅のオンライン商談は使えるか?初回接客をオンラインでやる設計

公開: 著者:河野 清博
住宅のオンライン商談は使えるか?初回接客をオンラインでやる設計

住宅のオンライン商談は、全面移行ではなく使いどころを絞ると効きます。向いているのは来場前の事前ヒアリングと、遠方・多忙なお客様との2回目以降です。ALLGRIT セールスAI で商談を解析していても、オンラインで落ちる工程と落ちない工程ははっきり分かれます。設計の考え方を整理します。

すでに2割近くが経験している

珍しい進め方ではなくなりました。国土交通省の調査では、注文住宅取得世帯のうち18.1%がZoomやTeamsを活用した物件説明・商談・工事説明を経験しています(令和6年度 住宅市場動向調査)。

一方で、住宅は実物を見て体感する価値が大きい商品です。展示場での体験は代えがたく、全面的にオンラインへ置き換えることはできません。判断すべきは、どの回をオンラインにするかです。

お客様側の事情も変わりました。共働きで平日に時間が取りにくい、遠方から検討している、小さなお子様がいて長時間の外出が難しい。移動が要らないこと自体が、会っていただける理由になります。

逆に言えば、オンラインを用意していない会社は、この層と会う機会を失っています。導入の判断は「使いこなせるか」より「会えなくなっていないか」で考えるほうが実態に合います。

対面と何が変わるのか

対面オンライン
共感の伝わり方表情・間・沈黙が使える読み取りにくく、沈黙が重い
体感実物を触れる伝えられない
資料の見せ方手元で一緒に見る画面共有で全員が同じものを見る
所要時間延びやすい区切りやすい
お客様の負担移動と時間が要る夜や隙間時間でも可能

注目したいのは3行目です。画面共有では全員がまったく同じものを見ているため、資料を使った説明はむしろ精度が上がります。手元の紙を指しながら話すより、認識のずれが起きにくくなります。

ご夫婦が別々の場所から参加できるのも、対面にはない利点です。ご主人が職場から、奥様がご自宅から。日程が合わずに何週間も先送りになっていた回を、その週のうちに置けることがあります。

向いているのは2つの場面

①来場前の事前ヒアリング(ゼロ次接客)

いま最も効くのがここです。来場前に時間を取って話を聞き、その情報をもとに準備して当日を迎えます。30分ほど聞いている会社もあります。

聞く内容は3つに絞ります。

これが分かっていれば、当日の初回接客を説明からではなく提案から始められます。当社の解析データでは、本命候補になれた商談の成約率は30〜40%です。来場前に番手の見当がついていれば、当日の組み立てがまったく変わります。

来場前に時間をいただくこと自体を負担に思われないか、という懸念はあります。実際には、目的を伝えれば受け入れられることがほとんどです。「当日を有意義にするために、先に状況だけ伺わせてください」と置けば、こちらの準備の姿勢として伝わります。

この事前の1回は、商談回数には数えません。あくまで当日の質を上げるための準備であり、商談化率を測るときの分母にも入れないほうが実態に合います。

②2回目以降の条件すり合わせ

資金計画の確認、プランの修正点のすり合わせ、他社との比較状況の確認。こうした「情報を合わせる回」はオンラインで十分に成立します。

移動時間が消えるぶん、間隔を詰められるのも利点です。商談期間が伸びるほど競合が入る時間を与えることになるため、回数ではなく間隔を縮める手段として使えます。

とくに効くのが、次回まで2週間空いてしまう場面です。その間に30分だけオンラインで確認の回を挟めば、他社の提案が進んでいないかを把握でき、こちらの検討も止まりません。

オンラインで落ちる工程を対面に残す

落ちるのは共感と熱量です。「それは悔しいですよね」といった感情の受け止めは、画面越しだと届き方が弱くなります。生活イメージを膨らませて熱量を上げる場面も同様です。

そこで、工程ごとに置き場所を決めます。

工程置き場所
事前ヒアリングオンライン
関係づくり・体感・熱量を上げる対面(来場時)
条件のすり合わせ・資料説明オンライン可
最終の意思確認対面が望ましい

オンラインに寄せるのは情報、対面に残すのは感情、と分けると設計しやすくなります。

この分け方をしておくと、担当者ごとの運用のばらつきも減ります。オンラインが得意な担当だけが多用し、苦手な担当が一切使わない、という状態は工程として管理できません。

沈黙が重くなる点への対処もひとつあります。オンラインでは、こちらが黙って待つ時間をお客様が「気まずい」と感じやすくなります。考えていただきたい場面では「少し考えていただいて大丈夫です」と明示的に置くと、間が機能します。

進行が安定する3つの準備

対面より脱線しにくい反面、間が持たないと早く終わります。準備で差が出ます。

1つ目が最も効きます。対面なら場の流れで進みますが、オンラインは冒頭の数分で温度が決まります。何を決める回かを共有しないまま始めると、資料の説明だけで終わって次につながりません。

終わり方も決めておきます。次に何をするか、いつまでに何を用意するかを、通話を切る前に双方で確認する。画面が閉じた瞬間に接点が切れるのがオンラインの弱点なので、次の約束をその場で置いておきます。

録画も対面より容易です。記録が残れば、次回の準備を前回の続きから始められます。同意の取り方は商談の録音をどう伝えるかにまとめました。

なお、通信環境や操作の不安があるお客様には無理に勧めません。当日つながらずに30分溶ける事故は、対面より印象を悪くします。事前に接続テストの案内を送るか、電話に切り替えられる準備をしておきます。

全商談を記録して振り返りを回し、来場成約率が12%から25%に変わった導入事例もあります。オンラインを含めた工程の組み立ては、成約率改善のロードマップ資料セミナーもご利用ください。

よくあるご質問

オンライン商談とは何ですか?

ZoomやTeamsなどのビデオ会議で行う商談のことです。住宅では来場前の事前ヒアリングや、遠方・多忙なお客様との2回目以降の面談で使われます。国土交通省の調査では、注文住宅取得世帯の18.1%がこうした商談を経験しています。

住宅の商談をすべてオンラインにできますか?

できません。実物を見て体感する価値が大きい商品なので、展示場での体験は代えがたいものがあります。向いているのは事前ヒアリングと、条件のすり合わせや資料説明が中心になる2回目以降です。

来場前のオンライン面談では何を聞けばいいですか?

建てられる状況か、いまどこを見ていて上位はどこか、その理由は明確かの3点です。ここが分かっていれば、当日の初回接客を説明ではなく提案から始められます。30分ほど時間を取る会社もあります。

オンラインだと関係が作りにくいのではないですか?

共感の伝わり方は落ちます。表情や間が読み取りにくく、沈黙も重くなるためです。対策は、関係づくりの比重を対面に残すこと。オンラインは情報のすり合わせに寄せ、熱量が要る場面は来場時に置きます。

オンライン商談で準備しておくことは何ですか?

画面共有する資料と、聞く項目を先に決めておくことです。対面より脱線しにくい反面、間が持たないと早く終わります。時間を区切り、何を決める回かを冒頭で共有すると進行が安定します。

出典・参考

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