成約率

商談が流れる原因とは?住宅営業で失注が決まっている5つの場所

公開: 著者:河野 清博
商談が流れる原因とは?住宅営業で失注が決まっている5つの場所

商談が流れる原因は、終盤にはありません。失注は、もっと手前の工程で確定しています。提案の内容が悪かったのではなく、確かめるべきことを確かめないまま次へ進んだ回があり、そこで勝負がついています。ALLGRIT セールスAI で失注商談を解析していても、崩れる場所はほぼ決まっています。工程順に5か所を挙げます。

「流れた」ときに何が起きているか

商談が流れる形は2つあります。お断りの連絡が入る場合と、連絡が途絶えて自然消滅する場合です。

多いのは後者で、しかも厄介です。検討の最後まで残っていれば、多くの場合はお断りの連絡が入ります。 いつの間にか他決していた、という報告が続くなら、そもそも相談相手として見られていなかったと考えるほうが実態に近くなります。

前提として、競合は必ずいます。国土交通省の調査では、注文住宅を建てた世帯の91.7%が、ほかの注文住宅も比較検討したと回答しています(令和6年度 住宅市場動向調査)。「うちは競合がいない」という認識は、比較される前に見切られているか、最初から自社で決めていたお客様しか取れていないかのどちらかです。

失注が確定する場所は、おおむね5か所に絞られます。

#場所起きていること確かめれば防げたこと
初回接客順位を確かめず次へ進むいま第1候補か。他社を見る予定は
資金の相談両立しない要望を放置する予算とエリアのどちらを優先するか
ヒアリング全般聞くだけで返していない相談相手として見られているか
クロージング比較意思のある相手に押す「見たい」が比較か保留か
失注後理由を聞きに行かない次に活きる原因

①初回接客:順位を確かめずに進む

いちばん多い場所です。商品を気に入ってくれていて話も早い。だから早く決めてもらおう、と進めた商談が、終盤で他社に持っていかれます。

必要なのは2つの確認です。「今のところ、弊社が第1候補と考えてよろしいでしょうか」「今後、他社さんを見られるご予定はありますか」。この確認を飛ばすと、後から出てきた他社を後出しだと感じますが、実際には確かめていなかっただけです。

当社の解析データでは、本命候補になれた商談の成約率は30〜40%です。番手が分かっていれば、時間を使うべき案件かどうかも判断できます。

聞きにくい質問ではあります。ただ、聞けている会社は普通に聞けています。言いにくさを理由に飛ばした確認が、そのまま失注の原因になります。

②資金の相談:解けない要望を放置する

予算とエリア、時期と性能。住宅の要望は、ひとつを動かすと別が崩れる連立方程式です。そして多くの場合、そのままでは解がありません

解なしのまま提案に進むと、提案自体が的を外します。お客様の側でも「この条件では無理だ」と分かっているのに、それを言語化してくれない担当だと認識されます。

やるべきは、条件を削ることではなく解く問題を組み替えることです。「このご予算とこのエリアの両立は正直かなり難しいです。予算を優先されるなら隣接エリアという選択肢があります」と置き直せるかどうかで分かれます。

お客様は、要望をそのまま叶えてくれた人ではなく、解ける形に問題を組み替えてくれた人に発注します。家が建てられる状態に整理してくれた相手だからです。住宅価格が上がり続けるいま、そのままでは解けない要望の比率は上がり続けています。

③ヒアリング:聞くだけで返していない

アンケートの項目を順になぞり、「なるほど」で受け続ける進め方です。お客様から見ると、差し出しているのに何も返ってこない会話になります。

厄介なのは、営業側の手応えが悪くならないことです。項目は埋まり、会話も途切れず、和やかに終わります。差が出るのは次回で、相談したいことが積み上がっていないので会う理由が生まれません。

返しが一般論になっていないかが判断材料になります。「世の中的には〜」で終わる返しが続いていれば、情報の循環は起きていません。

振り返りの観点は2つで足ります。お客様からの質問が増えたか。聞いていないことまで話してもらえたか。どちらもなければ、項目がすべて埋まっていても関係はできていません。

④クロージング:比較意思のある相手に押す

具体的な比較先があり、しっかり見比べたいとお客様が言っているのに決めさせにいく。これは関係そのものを壊します。急かす会社だと受け取られ、比較の土俵にすら残れなくなります

同じ「他社も見たい」でも中身は違います。見たい会社が決まっていない保留なら、判断材料をそろえて期限を置けば進められます。この見極めが競合判定です。

金額の反応を予想せずに提案を出し、その場で値引きに逃げるのも同じ場所の失敗です。値引きで決まった商談は、同じ理由で他社にも動かされます。

「高い」と言われること自体は前提です。むしろ提案前から高いと思われると分かっているなら、営業側から先に触れたほうが誠実に映ります。そのうえで初期費用だけでなく将来の光熱費・メンテナンス費まで含めた価値と、資金計画上の妥当性で裏づけます。詳しくはクロージングの3つの進め方にまとめました。

⑤失注後:理由を聞きに行かない

最後は商談そのものではなく、その後の話です。決まったお客様に「なぜうちを選んだのか」を聞く会社は多いのですが、決めた理由は後づけで語られやすく、改善にはつながりません

強い会社は、決まらなかったお客様に聞きに行きます。プランと見積もりを持って、どこで心が離れたのかを確かめる。気の重い作業ですが、やっている会社とやっていない会社では1年で蓄積される情報量がまったく変わります。

聞く相手は、比較検討まで進んで決まらなかったお客様に絞ります。最初から可能性が低かった層に聞いても、自社の課題は出てきません。5組ほど聞くと、同じ言葉が繰り返し出てくるようになります。

流れた場所を特定できる状態にする

5か所のうち①〜④は、商談中の会話に必ず痕跡が残っています。ただし手応えでは分かりません。同じ商談を「うまくいった」と評価する担当と「まだ決まっていない」と評価する担当が同時に存在します。

商談が記録として残っていれば、順位を確かめた商談と確かめないまま進んだ商談の結果の差が、そのまま出ます。商談管理に工程と番手を置くだけでも、流れる前に気づける案件が増えます。

全商談を録音して振り返りを回し、来場成約率が12%から25%に変わった導入事例もあります。危険な兆候を先に潰したい場合は契約率が下がる会社の10のシグナル、進め方は成約率改善のロードマップ資料セミナーもご利用ください。

よくあるご質問

「商談が流れる」とはどういう意味ですか?

進んでいた商談が契約に至らず、途中で止まったり他社に決まったりすることです。明確な断りがある場合もあれば、連絡が途絶えて自然消滅する場合もあります。後者のほうが多く、原因が分からないまま終わりがちです。

商談はどの工程で流れることが多いですか?

終盤ではなく、初回接客と資金相談の段階です。順位と条件を確かめないまま提案に進んだ商談が、終盤で他社が出てきて崩れます。終盤に見える失注のほとんどは、もっと手前で確定しています。

気づかないうちに他社に決まっていました。何が原因ですか?

検討の最後まで残っていれば、多くの場合お断りの連絡が入ります。いつの間にか他決していたという報告が続くなら、そもそも相談相手として見られていなかったと考えるほうが実態に近くなります。

商談が流れるのを防ぐには何を確かめればいいですか?

自社が何番手か、他社を見る予定があるか、両立しない要望が残っていないか、金額に納得できているかの4点です。この確認を飛ばした回が、あとから崩れます。確かめる場所は終盤ではなく中盤です。

失注した理由はどう調べればいいですか?

お客様に直接聞きます。契約したお客様に選んだ理由を聞く会社は多いのですが、決めた理由は後づけで語られやすく改善につながりません。決まらなかった理由のほうが具体的で、次に活きます。

出典・参考

あわせて読みたい

無料ダウンロード

3分でわかる、
セールスAI まるごと資料。

成約率を設計する考え方から、機能・導入プラン・導入までの流れまで。セミナーやご相談の前に、まとめてご確認いただけます。

  • 成約率は「契約確率の見える化」で設計できる ― 考え方の全体像
  • 録音を取り込むだけで回る仕組み(営業・部長・経営それぞれの変化)
  • 見込み管理AIと9つのモジュールの機能・画面イメージ
  • 導入プランと導入までの流れ
サービス紹介資料をダウンロード