テストクロージングとは?住宅営業で『これでいきませんか』と合意を取る進め方

テストクロージングとは?住宅営業で『これでいきませんか』と合意を取る進め方

住宅営業のテストクロージングとは、案を出すことではなく「これでいきませんか」と小さな合意を取ることです。クロージングとの違い、資金・土地・プランを一つずつ合意していく順番、そのまま使える言い方の例、NG例と直し方、断られたときの返し方、使う前の準備までをまとめました。

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この記事の要点

  • テストクロージングは案を出すことではなく、合意を取ること
  • 資金・土地・プランを一つずつ合意し、最後に当社と進めるかを聞く
  • 伸びない営業は案を出して待つだけで、「買ってください」が言えない
  • 断られても、引っかかりが出れば次に持ち帰るものが決まる
  • 使う前提は、濃い初回接客と自社にしかできない差別化

テストクロージングとは、本格的な契約の話に入る前に、「これでいきませんか」と小さな合意を取る確認のことです。案を出して終わりにせず、案のあとに必ず合意を取りにいきます。住宅営業では、資金・土地・プランを一つずつ合意し、最後に「お建てになるなら、ぜひ当社と一緒に進めませんか」と聞くのが基本の型です。

テストクロージングとは、小さな合意を取る確認

一般には、クロージングの前に顧客の契約意思を探る手法と説明されます。「どのプランが合いそうか」「懸念点はあるか」と聞き、反応が良ければ本格的なクロージングへ、不安が残るなら疑問の解消に回る、という流れです。

住宅営業でこれを使うときは、もう一歩踏み込みます。意思を探るだけでなく、資金・土地・プランの一つひとつで、お客様と合意を積み上げることです。

種類何をするか
テストクロージング小さな合意を取り、引っかかりを先に出す
クロージング契約の意思を最終的に確かめ、決めていただく

クロージング自体の進め方は、住宅営業のクロージングとはにまとめました。用語の定義は用語集のテストクロージングをご覧ください。

なぜ住宅営業でテストクロージングが効くのか

住宅は検討が長く、家族で決めます。決めるべきことも資金・土地・プランと多く、お客様ひとりでは整理しきれません。

ここで案を出すだけの営業は、決める手間をお客様に残したままにします。これが、伸びない営業に共通する型です。

  • 要望を聞いて回る御用聞き
  • プランと見積もりを出して待つプラン提出屋
  • 「いかがでしょうか」で終えて、返事を待つ営業

共通点は、テストクロージングをかけていないことです。本質は、「買ってください」が言えないことにあります。

当社が商談解析を代行している住宅会社1社のデータ(256商談)では、お客様の中で自社が本命の商談の契約率は約38%、二番手以下は約5%でした。約8倍の差です。小さな合意は、この位置を本命に寄せる手段になります。

資金・土地・プランを一つずつ合意していく

合意は、決める順番に積み上げます。一度に全部を聞くのではなく、商談のたびに1つずつです。

合意の対象聞き方の型
資金「資金計画はこれでいきませんか」
土地「土地はここで進めてよろしいですか」
プラン「間取りはこの方向で固めていきませんか」
当社と進めるか「お建てになるなら、ぜひ当社と一緒に進めませんか」

資金で合意、土地で合意、プランで合意と重なるほど、お客様の中で「この人と進めている」という感覚が育ちます。その場で「はい」と言っていただく必要はありません。 引っかかっている点が出てくれば、それも成果です。

最後の一言は、最終局面まで取っておくものではありません。初回接客の帰り際から置いておくほど、反応から自社の位置が読めます。

番手を聞くこともテストクロージング

「今のところ、いちばん良いと思っている会社はどちらですか」と聞くのも、テストクロージングです。番手を聞くのは失礼ではなく、お客様の意思決定の手間を減らす行為にあたります。

一緒に決めるスタンスの象徴でもあり、だから「この担当に任せたい」と思われて本命になります。聞き方は住宅営業の番手とはにまとめています。

そのまま使える言い方の例

場面ごとに、案のあとに足す一言を並べます。言い回しは自社の言葉に直して構いません。

場面言い方の例
初回接客の帰り際「今のところ、いちばん良いと思っている会社はどちらですか」
資金計画を出したあと「この返済額なら無理がなさそうですが、資金はこれでいきませんか」
土地を見たあと「条件に合うのはこの土地だと思いますが、ここで進めてよろしいですか」
プランを出したあと「暮らし方はこの方向で合っていますか。間取りは固めていきませんか」
検討が進んだとき「お建てになるなら、ぜひ当社と一緒に進めませんか」
反応が曖昧なとき「いま決めるとしたら、何が引っかかりますか」

ポイントは、案の説明と合意の一言をセットで言うことです。説明が終わったところで黙ると、お客様は「検討します」で返すしかなくなります。

NG例と直し方

テストクロージングは回数を重ねれば良いわけではありません。よくある失敗は次の3つです。

NG直し方
案を出して「いかがでしょうか」で終える「これでいきませんか」と合意の形で聞く
関係ができる前に、回数だけ詰める先に相談相手として認められる状態をつくる
「はい」を取ることが目的になる引っかかりを聞き出すことを目的にする

2つ目は特に注意が必要です。前段がないまま合意だけ迫ると、急かす会社だと受け取られます。

自社用語もここで整理します。相談了解は「この人に相談したい」と思われている状態です。

問題点共有は、家づくりの障害を一緒に洗い出す段階を指します。順番は購買心理の6ステップで解説しています。

断られたときは、引っかかりを聞く

「まだ決められません」と返ってきたら、押し返さず、理由を聞きます。断られた場面こそ、次回に持ち帰るものが決まる機会です。

  • 「ありがとうございます。いま決めるとしたら、何が引っかかりますか」
  • 「資金・土地・プランのうち、まだ迷われているのはどこですか」
  • 「ご家族と相談されるなら、どの点を伝えれば決めやすくなりますか」

返ってきた内容は、次回の宿題になります。返事を待つ商談と、障害が分かっている商談では、次の一手がまったく違います。

答えが曖昧な場合も、それ自体が情報です。見たい会社が決まっていない保留なのか、比較したい先があるのかは、競合判定で分けます。

使う前に整えておく準備と、確認チェック

テストクロージングが効く前提は、濃い初回接客と差別化の2つです。濃い初回接客かどうかの判定基準は、帰り際に「今いちばんの会社はどちらですか」と聞けて、自社だと答えてもらえるかです。

差別化については、気密・断熱の性能値は他社も同水準を出せるため、順位が動きません。自社にしか提供できない領域を、決め手として伝える必要があります。

使う前に、次の5点を確認してください。

  • 初回接客で、番手を聞く一言を決めてあるか
  • 資金・土地・プランごとに、合意の一言を用意したか
  • 案の説明のあとに、合意を取る一言を足しているか
  • 断られたときの「何が引っかかりますか」を言えるか
  • 自社にしか言えない決め手を、1つ説明できるか

自社の商談で、合意を取れた回数を確かめたい場合は、成約率改善のロードマップ資料や導入事例もご覧ください。

よくあるご質問

テストクロージングとは何ですか?

本格的な契約の話に入る前に、小さな合意を取りながら、お客様の意思と引っかかりを確かめる行為です。住宅営業では、資金・土地・プランを一つずつ「これでいきませんか」と確かめ、最後に当社と進めるかを聞きます。

テストクロージングのやり方の例を教えてください。

案を出したあとに合意を取ります。「資金計画はこれでいきませんか」「土地はここで進めてよろしいですか」「間取りはこの方向で固めていきませんか」の順です。最後に「お建てになるなら、ぜひ当社と一緒に進めませんか」と聞きます。

テストクロージングで断られたら、どう返せばいいですか?

押し返さず、引っかかっている点を聞きます。「いま決めるとしたら、何が気になりますか」と尋ね、出た点を次回の持ち帰りにします。障害が分かるのは成果です。答えが曖昧な場合も、それ自体が情報になります。

クロージングとテストクロージングの違いは何ですか?

クロージングは契約の意思を最終的に確かめる工程で、テストクロージングはその手前で、小さな合意を重ねる確認です。テストクロージングで引っかかりを先に外しておくと、最後のクロージングで迷いが出にくくなります。

新人はテストクロージングを何から始めればいいですか?

初回接客の帰り際に「今のところ、いちばん良いと思っている会社はどちらですか」と聞くことから始めます。次に、商談のたびに案のあとへ「これでいきませんか」を1つ足します。一度に全部やろうとしなくて構いません。

出典・参考

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