一番手の商談は何割が契約に至るのか?番手別の契約率を実データで

お客様の中で一番手になれた商談と、二番手以下の商談では契約率が約8倍違います。当社が商談解析を代行している住宅会社の通期データから、番手別の契約率を実数つきで公開します。区分の定義、母数、数字の読み方と注意点もあわせてまとめました。
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この記事の要点
- 一番手になれた商談の契約率は約38%。二番手以下は約5%
- 一番手は1社のみ検討でも複数社検討でもほぼ同じ。比較自体は問題にならない
- いちばん多いのは「横並び」で、商談の45%を占める
- 横並びは優勢20.3%・劣勢11.9%。同じ横並びでも倍近く違う
- 母数の小さい区分があるため、区分間の細かい差は読まない
お客様の中で一番手になれた商談は、約38%が契約に至ります。二番手以下は約5%で、その差はおよそ8倍です。ALLGRIT セールスAIで商談解析を代行している住宅会社の通期データから、番手別の契約率を実数つきで公開します。
調査の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 当社が商談解析を代行している住宅会社 1社 |
| 商談数 | 1.5次完了 314商談(契約率の集計対象は256商談) |
| 期間 | 2025年6月〜2026年9月(来店予約日ベース) |
| 番手の判定 | 商談の録音を解析し、お客様の発言と比較状況から判定 |
| 契約率の定義 | 該当区分の商談のうち、請負契約に至った割合 |
番手とは、検討中のお客様の中で自社が何番目の候補かを表す言葉です。この集計では、商談ごとに判定した番手と、その商談が契約に至ったかを突き合わせています。
判定は営業担当者の自己申告ではありません。録音の解析結果から機械的に分けている点が、この数字の前提です。担当者が「感触は良い」と感じたかどうかは、区分に入っていません。
そもそも番手を全商談分そろえられるのは、初回接客から録音を取っているからです。営業担当者に番手を入力してもらう運用だと、埋まらない商談が出て、集計そのものが成り立ちません。
なお、全体の契約率26.6%を来場成約率と並べて読まないでください。ここでの母数は着座まで進んだ商談で、来場したお客様全員ではありません。業界水準10%前後とは母数が違います。
番手別の契約率
区分は7つです。母数と契約率を並べます。
| お客様の中での位置 | 商談数 | 契約率 |
|---|---|---|
| 一番手(複数社を検討) | 52 | 38.5% |
| 一番手(1社のみ検討) | 21 | 38.1% |
| 判断不可(1社のみ来店) | 22 | 22.7% |
| 横並び(優勢) | 74 | 20.3% |
| 横並び(劣勢) | 42 | 11.9% |
| 二番手以下(厳しめ) | 19 | 5.3% |
| 二番手以下(可能性あり) | 21 | 4.8% |
| 全体 | 256 | 26.6% |
上から下まで、順位が下がるほど契約率も落ちています。番手は、結果を後から説明するための言葉ではなく、契約率そのものを左右する変数です。
この会社は全商談を録音し、解析結果をもとに振り返りを回しています。運用の中身は導入事例にまとめました。
一番手と二番手以下で、約8倍の差がつく
いちばん大きな差はここです。一番手の73商談で契約率38.4%、二番手以下の40商談で5.0%。約8倍の開きがあります。
社内の商談解析データで見てきた「一番手商談の成約率は30〜40%」という感覚とも、ほぼ一致する水準でした。当社はこれまでに累計2,000商談以上を解析していますが、番手が下がるほど契約率が落ちる傾向は、会社が変わっても同じように出ています。
比較されていること自体は、問題にならない
注目したいのは、一番手が「1社のみ検討」でも「複数社を検討」でもほぼ同じ水準だという点です。38.1%と38.5%。差はありません。
つまり、お客様が他社を見ていること自体は、契約率を下げていません。 比較されたうえで1番に選ばれているかどうかだけが効いています。
だとすれば、打ち手は「他社を見せない」ではありません。比較されることを前提に、その中で1番を取ることです。取り方は住宅営業の番手とはにまとめました。
二番手以下からの巻き返しは、現実的ではない
二番手以下の40商談のうち、契約に至ったのは2件だけでした。最終局面での粘りや値引きで順位がひっくり返る、という前提は、この数字を見るかぎり持たないほうがいいと考えています。
二番手以下の商談で起きているのは、たいてい値段の話です。順位が下の状態で残るには、条件で並ぶしかありません。粘るほど利益が削れて、それでも決まらない、という形になります。
打ち手を置く場所は、二番手以下になってからではありません。そこに至る前、初回接客から2回目までの間です。価格勝負になる構造は「最終2社」で価格競合に負ける共通点に書きました。
じつは、いちばん多いのは「横並び」
商談の分布を見ると、もうひとつ分かることがあります。
| 区分 | 商談数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 横並び(優勢+劣勢) | 116 | 45.3% |
| 一番手(1社のみ+複数) | 73 | 28.5% |
| 二番手以下 | 40 | 15.6% |
| 判断不可 | 22 | 8.6% |
いちばん大きな塊は、一番手でも二番手以下でもなく横並びです。 商談の45%がここにいます。
優勢か劣勢かで、契約率は倍近く違う
横並びの中でも、優勢なら20.3%、劣勢なら11.9%です。同じ「横並び」でひとくくりにすると、この差が見えなくなります。
全体の契約率をいちばん動かすのは、横並びの商談を優勢に寄せられるかどうかです。母数が大きいからです。一番手を1件増やすより、116件のうち何件を優勢に寄せるかのほうが効きます。
優勢と劣勢の分かれ目は、お客様が自社の何を評価しているかを言えるかどうかでした。評価ポイントが具体的に出てくる商談は優勢に寄り、「性能がいいですね」で止まる商談は劣勢に残ります。
性能値そのものでは順位が動きにくい、とも言えます。気密・断熱の数値は他社も同じ水準を出してくるためです。自社にしか提供できない領域まで話が進んだ商談が、優勢側に集まっていました。
「判断不可」は、聞けていない商談
7区分のうち、判断不可が22商談あります。契約率は22.7%と全体平均に近い数字です。ただし、この区分の意味は他と違います。
お客様が何社と比べているのかを、商談の中で確かめられなかった商談です。決まりやすいわけでも決まりにくいわけでもなく、単に見えていません。
見えていない商談は打ち手が決められません。優勢なのか劣勢なのかが分からないまま、次回の準備をすることになります。番手の聞き方は住宅営業の番手とはに場面別のテンプレートを用意しました。初回接客での確かめ方は住宅営業の初回接客とはにあります。
この数字の読み方と注意点
数字を出した以上、限界も書いておきます。
- 1社の通期データです。累計2,000商談以上の解析でも同じ傾向が出ていますが、この記事に載せた実数は1社分です
- 母数の小さい区分があります。二番手以下の2区分はいずれも契約が1件で、区分間の細かい差(5.3%と4.8%)は読まないでください。水準として読んでください
- 相関であって因果ではありません。一番手になれる商談は、お客様の温度感や資金の状況など他の条件も良い可能性があります
- 契約率の集計対象は256商談で、1.5次完了314商談との差には、分類の途中や対象外の商談を含みます
この数字は「一番手になれば必ず決まる」ではありません。 一番手になれているかを確かめ、番手を上げる打ち手に優先順位を置く根拠として読んでください。
引用いただく際は、出典として「ギバーテイクオール株式会社 商談解析の代行支援データ」と本記事のURLを併記してください。
自社で同じように測るには
特別な仕組みがなくても始められます。商談ごとに「お客様の中で何番手か」を確かめて記録し、月ごとに番手別の契約数を数えるだけです。
記録する項目は4つで足ります。
| 記録する項目 | 具体例 |
|---|---|
| 何社と比べているか | 3社 / 1社のみ |
| その中で自社は何番目か | 一番手 / 横並び / 二番手以下 |
| そう判断した根拠の発言 | 「今のところ、お宅が一番いいです」 |
| 確かめられなかった場合 | 判断不可として残す(空欄にしない) |
母数が小さいうちは、割合ではなく実数で見てください。「今月の商談のうち、番手を確認できたのは何件か」から始めるほうが実務に合います。 割合は母数が数十件たまってから意味を持ちます。
注意したいのは、営業担当者の主観で埋めないことです。「感触は良いです」は判断材料になりません。お客様が実際に何と言っていたかまで残らないと、あとから読み返せません。
記録が担当者の記憶に残るだけだと集計できません。商談の中身が自動で残る仕組みは入力ゼロのAI商談解析、成約率を工程に分解する考え方は住宅営業の成約率を上げる方法にまとめています。
まとめ
一番手になれた商談の契約率は約38%、二番手以下は約5%で、差は約8倍です。一番手は1社のみ検討でも複数社検討でもほぼ同じ水準なので、比較されること自体は問題になりません。
いちばん大きな塊は横並びで、商談の45%を占めます。優勢20.3%、劣勢11.9%と倍近く違うため、横並びのまま置かず、優勢に寄せられるかが全体を動かします。
よくあるご質問
一番手の商談はどのくらい契約になりますか?
通期の集計では、一番手と判定された商談の契約率は38%前後でした。1社のみを検討しているお客様で38.1%、複数社を検討しているお客様で38.5%と、ほぼ同じ水準です。
二番手以下になると、どのくらい決まりませんか?
4〜5%台です。一番手と比べると約8倍の差があります。ただしこの区分は母数が小さいため、水準として読み、区分間の細かい差は読まないでください。
「横並び」はどう扱えばいいですか?
商談の45%が横並びで、いちばん大きな塊です。優勢なら20.3%、劣勢なら11.9%と倍近く違うため、横並びのまま置かず、優勢か劣勢かまで見てください。
番手はどうやって判定していますか?
商談の録音を解析し、お客様の発言と比較状況から判定しています。営業担当者の自己申告ではありません。判定できなかった商談は「判断不可」として分けています。
全体の契約率26.6%は、来場成約率と比べていいですか?
比べないでください。ここでの母数は着座まで進んだ商談で、来場者全員ではありません。来場成約率の業界水準10%前後とは母数が違います。
出典・参考
- ギバーテイクオール株式会社 商談解析の代行支援データ(住宅会社1社・来店予約日ベース・2025年6月〜2026年9月・1.5次完了314商談)
- ALLGRIT セールスAI 導入事例(全商談の録音・フィードバック運用で来場成約率12%→25%)


