住宅営業の成約率を上げる方法とは?次回アポ率より先に見る数字

住宅営業の成約率が低いとき、多くの会社は次回アポ率を上げようとします。しかしそれでは無駄な追客が増えるだけです。来場成約率の業界平均、上げるべきは初回接客の濃さである理由、一番手率が差別化でしか上がらないこと、何から数え始めるかを、住宅営業のコンサルティングの現場から解説します。
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この記事の要点
- 来場成約率の業界平均は10%前後。集客の経路で大きく変わる
- 次回アポ率はキャンペーンで簡単に上がる。だから指標にすると危ない
- 上げるべきは初回接客の濃さ。帰り際に番手を聞けているかで測れる
- 一番手率は差別化でしか上がらない。他社もできる話では動かない
- 集客を増やすのは、契約率を20%台に乗せたあと
住宅営業の成約率が低いとき、多くの会社は次回アポ率を上げようとします。それでは無駄な追客が増えるだけです。 上げるべきは初回接客の濃さです。住宅営業を10年以上見てきた立場から、ALLGRIT セールスAIの導入企業のデータもあわせて、順番を整理します。
来場成約率の平均は、どのくらいか
まず自社の位置を知ってください。来場を分母にした成約率の業界水準は、平均で10%前後です。ただし集客の経路によって大きく変わります。
| 集客の経路 | 来場成約率の目安 | 来場者の状態 |
|---|---|---|
| 自社の単独展示場・見学会 | 10〜15% | ある程度絞ってから来ている |
| 総合展示場・イベント系 | 5〜8% | 見込み度が低い来場が混ざる |
この差は営業の腕ではなく、来る人が違うから出ます。総合展示場で8%の会社と、単独展示場で12%の会社を並べても、どちらが強いかは分かりません。他社と比べる前に、集客の経路を揃えてください。
差が出る理由は、来場前の行動にあります。いまのお客様は、YouTubeやInstagramである程度の会社を絞ってから足を運びます。自社の展示場や見学会に来る人は、その時点で候補に入っている状態です。
一方、総合展示場やイベントには「まだ何も決めていない」人が混ざります。情報収集の段階なので、そのまま契約に進む割合は下がります。集客の経路を分けて数えないと、営業の評価まで狂います。
計算式そのものの整理は成約率の計算方法とはにまとめました。ここから先は、この水準をどう上げるかの話です。
契約率が低いとき、会社は次回アポ率を上げようとする
現場では成約率のことを「契約率」と呼びます。契約率が低いと相談を受けたとき、多くの会社がまず手をつけるのが次回アポ率です。
そして、次回アポ率は上げられてしまいます。たとえばこういう施策です。
2回目にご来場いただき、事前審査まで通していただいた方に1万円分をお渡しします。
これをやれば、次回アポ率の数字は動きます。KPIとして設定すれば、現場も追いかけます。問題はそのあとです。
お客様の気持ちが進んでいないのに、ステップだけが進みます。 次回アポは取れた。事前審査も通った。でも本命は他社のまま。こうして、決まらないお客様を追いかける時間だけが増えていきます。
| 指標として置いた数字 | 現場が取る行動 | 半年後に起きること |
|---|---|---|
| 次回アポ率 | 特典を付けて2回目を取りにいく | 追客リストが膨らみ、決まらない案件が滞留する |
| 一番手率 | 帰り際に順位を確かめにいく | 決まる商談に時間を寄せられる |
同じ「頑張る」でも、置いた数字によって現場の動き方はここまで変わります。
追客の母数が増えると、1組あたりにかけられる時間は減ります。本当に決まりそうなお客様への手当てが薄くなり、契約率はむしろ下がります。
送るものの質も落ちます。初回接客で何を聞けたか分かっていないお客様には、その家族に向けた提案が作れません。結果として、全員に同じ内容を送る汎用のメールになります。それでは順位は動きません。
次回アポ率は、追いかけてよい数字です。ただし目的ではなく、初回接客が濃かったかどうかの結果として見てください。 追客の考え方は追客とは、止まる商談の見分け方は商談が流れる原因にまとめました。
上げるべきは、初回接客の濃さ
住宅営業は初回接客がすべてです。ここで決まる部分が大きく、2回目以降にできることは限られます。だから手を入れるなら初回接客です。
ところが現場で起きているのは逆のことです。案内に力が入り、工法や標準仕様の説明が長くなる。営業が気持ちよく話せた接客ほど、お客様のことを聞けていません。時間は有限なので、説明が増えれば聞く時間が減ります。
帰り際に、番手を聞けているか
濃い初回接客かどうかは、ひとつの場面で測れます。2時間ほどの接客が終わる、その帰り際です。
ぶっちゃけ、今日の段階で当社は検討候補に入っていますか。今いちばんの会社はどこですか。
これを聞けて、「はい、御社です」と言ってもらえる接客ができているか。ここが分かれ目です。聞けないまま終わる接客は、感触が良くても番手が分かりません。
聞くこと自体が目的ではありません。この質問に答えてもらえる関係を2時間で作れているかが問われています。
その2時間で押さえる中身は6つです。資金、土地、時期、競合、自社の評価ポイント、親族。このうち後ろの3つが抜けたまま終わる接客が非常に多い。どこと比べているか、何を気に入ってくれたか、誰が決めるのか。ここが空白だと、次に何をすればいいかが決まりません。
何を聞くかは初回接客のヒアリング項目にシートを用意しました。展示場での進め方は住宅展示場の効果的な接客にまとめています。
成約率が伸びない営業がしていないこと
伸びない営業には共通点があります。お客様に順位を聞いていません。テストクロージングをかけていない、と言い換えてもいいです。
言葉にすると、御用聞きになっています。もっと厳しい言い方をすれば、プラン提出屋です。いいプランを出せば、お客様が決めてくれると思っています。
営業の仕事は違います。このプランでいきましょう。資金計画はこれでやってみませんか。今回建てるなら、ぜひ当社で建ててください、いかがですか。こうやってお客様と一緒に意思決定の階段を上がっていくのが仕事です。
階段を上がろうとしない営業は、お客様の順位が分からないまま最終局面に入ります。そこから価格で戻すしかなくなる構造は「最終2社」で価格競合に負ける共通点に書きました。
「感触は良いです」を数字に置き換える
報告の場面でも同じことが起きます。「感触は良いです」「前向きに検討されています」という言葉には、順位が入っていません。
マネージャーが聞くべきは1つです。そのお客様の中で、当社はいま何番目ですか。答えられないなら、その商談はまだ見えていないということです。報告を契約確率に置き換える進め方は営業報告の可視化にまとめました。
一番手率は、差別化でしか上がらない
本命になれている商談の割合が一番手率です。導入企業のデータでは、**一番手を取れた商談の成約率は30〜40%**です。ここを増やすのが成約率を動かす最短路になります。
では何をすれば上がるのか。答えは差別化です。ただし、差別化の定義を間違えている会社が多い。
大事なのは、他社でもできることを話してもダメだということです。住宅業界では気密性能も断熱性能もどんどんグレードが上がっています。「うちはこのレベルです」と数値を出しても、同じ水準を出せる会社が近くにいます。
| 話していること | 一番手率への効き方 |
|---|---|
| 気密・断熱の性能値 | 他社も同水準を出せる。順位は動かない |
| 標準仕様の充実 | 比較表の一項目で終わる |
| 自社にしか提供できない領域 | ここだけが順位を動かす |
自社にしか提供できない領域を見つけて、そこを徹底的に伝える。それができないかぎり、一番手率は上がりません。導入企業では、ここに手を入れた結果、一番手率が約15%から約50%へ変わっています。
では、自社にしか提供できない領域はどうやって見つけるのか。机の上では出ません。材料はお客様の発言の中にあります。
決まったお客様が、最後に何と言って決めてくれたか。落ちたお客様が、どこを他社の良さとして挙げたか。これを何十件も並べて初めて、自社が本当に評価されている点が見えてきます。営業一人の記憶では足りません。会社としてデータが要ります。
逆に言えば、商談の中身が残っていない会社は差別化のポイントを探せません。差別化が精神論で終わるのはこのためです。番手の確かめ方そのものは「番手」とは?、順位が下がる兆候は契約率が下がる住宅会社の特徴にまとめています。
集客を増やすのは、契約率を上げたあと
契約率が低いとき、もうひとつよく出る打ち手が集客を増やすことです。方針としてはありですが、順番が逆です。
住宅業界の来場単価は、いま10万円ほどになっています。仮に10組集めて100万円をかけても、契約率が10%なら契約1件あたりの広告費は100万円です。インフレで住宅価格そのものも上がっているなか、この構造で数を増やすのはかなり厳しい。
先に契約率を20%台に乗せてください。決まる体制ができてから広告費をかけるほうが、同じ予算で倍の結果になります。費用の考え方は営業支援ツールの費用はどう見るかにまとめました。
もうひとつ、粗利で考えると差がはっきりします。注文住宅の1棟あたりの粗利は600万円から、高い会社で1,000万円ほどです。来場100組で成約率が5ポイント上がれば、それだけで棟数が5棟増えます。広告費で同じ5棟を取りにいく場合と比べてみてください。
実際、公開している事例では来場成約率が12%から25%に変わっています。集客数は増やしていません。中身を変えただけです。導入事例に詳細があります。
何から数え始めるか
ここまでの話は、数字が出ていることが前提です。ところが商談進行の数字を出していない会社のほうが多い。最初に数えるのは、次の2つで十分です。
| 数える順番 | 何の数字か | どうやって取るか |
|---|---|---|
| ① 次回アポ率 | 初回接客から次に会えた割合 | 接客の記録から数える |
| ② 一番手率 | 本命の候補になれている割合 | 帰り際に聞く。または来場後アンケート |
②が難しい会社が多いはずです。営業がお客様に聞けない、聞いても報告が上がってこない。その場合は、来場後アンケートで取ってしまうのが早いです。
営業に聞かせるより先にアンケートで取る利点がもうひとつあります。営業の主観が入らないことです。 「たぶん一番手だと思います」という報告と、お客様がご自身で書いた回答では、精度がまったく違います。
5,000円分程度のクーポンを付けてキャンペーンにすると、8割ほど回収できます。 そこに検討中の会社を書いていただく欄を用意すれば、営業の主観を通さずに番手が取れます。
見る頻度は、通常なら週1回の営業会議です。セールスAIを使っている会社では、商談が動くたびに担当者別で毎日見ています。画面をいちばん開いているのは営業マネージャーです。
担当者別に並べると、鍛える工程が人によって違うことが分かります。次回アポは取れているのに一番手になれていない人。一番手にはなるのに最終局面で落ちる人。同じ研修を全員に受けさせても効かないのは、弱い工程が違うからです。
数字が出はじめたら、次は月ごとの変化を追ってください。成約数そのものは検討期間が長いぶん遅れて動きます。先に動くのは次回アポ率と一番手率です。この2つが動いていれば、成約数は後からついてきます。
会議の進め方は営業会議では何を見るか、記録が自動で残る仕組みは入力ゼロのAI商談解析にまとめています。
まとめ
来場成約率の業界水準は10%前後で、集客の経路によって5〜15%まで振れます。ここを上げるとき、次回アポ率を指標にしてはいけません。キャンペーンで簡単に上がり、決まらないお客様を追いかける時間だけが増えます。
手を入れるのは初回接客の濃さです。帰り際に「今いちばんの会社はどこですか」と聞ける関係を2時間で作れているか。そして一番手率は差別化でしか上がりません。他社もできる話をしているうちは順位が動きません。
集客を増やすのは、契約率を20%台に乗せてからです。何の数字が動いたかは住宅会社のAI営業の活用事例、商談の中身を残す仕組みはサービス紹介資料、実例を交えた解説はセミナーでご覧ください。
よくあるご質問
住宅会社の来場成約率の平均はどのくらいですか?
来場を分母にすると10%前後です。自社の単独展示場や見学会など見込み度の高い来場では10〜15%、総合展示場やイベントなど見込み度の低い来場では5〜8%になることが多いです。集客の経路を揃えずに他社と比べても意味がありません。
成約率を上げるには、まず何をすればいいですか?
初回接客の濃さを上げてください。多くの会社は次回アポ率を上げようとしますが、キャンペーンを打てば次回アポ率は簡単に上がります。お客様の気持ちが動いていないまま次のステップに進むため、無駄な追客が増えるだけです。
一番手率はどうすれば上がりますか?
差別化でしか上がりません。気密・断熱の性能値のように他社も同じ水準を出せる話をしても、お客様の中の順位は動きません。自社にしか提供できない領域を見つけて、そこを徹底的に伝える必要があります。
成約率が伸びない営業に共通することはありますか?
お客様に何番手かを聞いていないことです。テストクロージングをかけず、いいプランを出せば決めてくれると考えています。営業の仕事は、お客様と一緒に意思決定の階段を上がることです。
数字を出していない会社は、何から数えればいいですか?
次回アポ率と一番手率の2つです。一番手が営業から聞き出せない場合は、来場後アンケートに5,000円分程度のクーポンを付けると8割ほど回収できます。そこで番手を聞いてしまうのが早い方法です。
出典・参考
- ギバーテイクオール株式会社 住宅・不動産業界の営業コンサルティング知見(来場成約率の業界水準・集客経路別の目安)
- ギバーテイクオール株式会社 導入企業の商談解析データ(一番手を取れた商談の成約率30〜40%、一番手率 約15%→約50%)
- ALLGRIT セールスAI 導入事例(来場成約率12%→25%)


