営業KPIは何を置く?住宅営業で次回アポ率だけを追わない数字の決め方

営業KPIは何を置く?住宅営業で次回アポ率だけを追わない数字の決め方

住宅営業のKPIは、次回アポ率だけを置くと無駄な追客が増えます。KGIとの違い、先行指標と遅行指標の分け方、番手の確認率を加えた指標の候補、週次・月次で見る順番、数字がまだない会社が最初に取る2つ、データが入らない問題の解き方までを整理しました。

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この記事の要点

  • 営業KPIは、KGI(契約)に至る途中の行動と状態を測る数字
  • 次回アポ率は、単独で目標にすると無駄な追客が増える
  • 次に会う理由と、お客様の中の番手を合わせて見る
  • 行動の指標(先行)と結果の指標(遅行)は分けて見る
  • 数字がない会社は、次回アポ率と番手の2つから始める

営業KPIとは、最終ゴール(KGI)に至る途中の進み具合を測る数字です。住宅営業では、次回アポ率だけを置くと無駄な追客が増えます。次に会う理由と、お客様の中の番手を合わせて見るのが基本です。置く指標の候補と、見る順番をまとめました。

営業KPIとKGIは何が違うのか

KGIは最終のゴール、KPIはそこへ至る途中の進み具合を測る数字です。一般の解説でも、KGIから逆算してKPIを置く流れが紹介されています。

住宅営業に当てはめると、次のようになります。

区分住宅営業での例
KGI(最終ゴール)年間の契約棟数、売上、粗利
KPI(途中の指標)来場成約率、次回アポ率、番手を確認できた商談の割合
行動の指標初回接客で聞くべき項目を聞けた割合、録音した商談の割合

KPIは数が多いほど良いわけではありません。営業が自分の行動と結びつけられる数だけを置いてください。

住宅営業で置くKPIの候補は何か

住宅営業の商談は、来場から契約まで数か月かかります。契約という結果が出るのを待っていては、手を打てません。途中の数字を置く理由はここにあります。

候補を、見る理由とあわせて並べます。

指標見る理由
来場成約率営業の最終結果。集客の経路を揃えて見る
商談進行率初回面談から提案に進めたか。次に会う理由を作れたかが出る
次回アポ率次の約束が取れたか。中身の確認とセットで見る
番手を確認できた商談の割合お客様の中での自社の順位を把握できているか
一番手率本命になれた商談の割合。契約確率を動かす
録音・記録がある商談の割合上の数字を、手応えでなく記録から出せるか

全部を一度に置く必要はありません。先に、先行と遅行の分け方を押さえます。

先行指標と遅行指標をどう分けるか

遅行指標は、結果として後から出る数字です。先行指標は、結果より先に動き、日々の行動で変えられる数字です。一般の解説でも、KGIに近いKPIほど遅行になりやすいとされています。

住宅営業の場合、契約や来場成約率は遅行です。判明したときには、手を打つ時期を過ぎています。

先行にあたるのは、次の3つです。

  • 初回接客で番手を確認できたか
  • 次に会う理由を作れたか
  • 6要素(資金・土地・時期・競合・自社の評価ポイント・親族)の空白が埋まっているか

遅行指標で営業を評価し、先行指標で営業を支える。この分担が崩れると、結果が出なかった営業を責めるだけの会議になります。

次回アポ率だけを追うと、なぜ危ないのか

契約率が低いとき、多くの会社がまず次回アポ率を上げようとします。たとえば、2回目の来場と事前審査まで進めたお客様に1万円分を渡す施策です。

これで次回アポ率は上がります。KPIにすれば現場も追いかけます。問題はそのあとです。お客様の気持ちが進んでいないのに、ステップだけが進みます。

置いた数字現場で起きること
次回アポ率だけ特典を付けて2回目を取りにいき、追客リストが膨らむ。決まらない案件が滞留する
次回アポ率+番手の確認帰り際に順位を確かめ、会う理由を作る。決まる商談に時間を寄せられる

追客の母数が増えると、1組にかけられる時間は減ります。本当に決まりそうなお客様への手当てが薄くなり、契約率はむしろ下がります。

次回アポ率は、追いかけてよい数字です。ただし目的にせず、初回接客が濃かったかの結果として見てください。成約率を上げる順番は住宅営業の成約率を上げる方法に書きました。

次に会う理由と、番手を一緒に見る

次回アポが取れたかより大事なのは、なぜ次に会うのかです。お客様が「この件を詰めたい」と思って約束した次回と、営業が頼み込んだ次回では、中身が違います。

次の2点を、次回アポとセットで確認します。

  • 次に会う理由は、お客様の言葉で言えるか(例:資金計画の見直し、土地の候補の確認)
  • 帰り際に、自社が何番手かを聞けているか

番手は大きな差になります。当社が商談解析を代行している住宅会社1社のデータ(256商談)では、契約率は次のとおりです。

お客様の中での自社の位置契約率の水準
番手が1番目(本命)約38%
2番手以下約5%

約8倍の差です。2番手以下は契約件数が少ないため、水準として見てください。次回アポの数より、どの番手の次回アポかが重要になります。

導入企業では、一番手率が導入前後で約15%から約50%に変わった例があります(目安)。番手の確かめ方は「番手」とは?にまとめました。

マネージャーは何を、どの順番で見るのか

住宅会社のレビューは月曜日が基本です。土日に商談が集中するためです。見る順番は、遅い数字から早い数字へ遡るのではなく、早い数字から確認します。

タイミング見る数字と、決めること
週次(月曜)番手の確認、次に会う理由、6要素の空白。今週、手を入れる案件を選ぶ
月次来場成約率、商談進行率、番手別の件数。初回接客の型を直すか、差別化を探すか

週次の対象は、決まる案件でも落ちた案件でもありません。その間に落ちている案件です。感触ではなく、お客様が実際に何と言ったかで見ます。進め方は営業報告の可視化に書きました。

月次は、結果の数字を集客の経路別に分けて見ます。単独展示場・見学会(10〜15%)と、総合展示場・イベント系(5〜8%)では、来場成約率の水準が違うからです。

数字がまだない会社は、何から取ればいいのか

数字を出していない会社が最初に取るのは、次回アポ率と番手の2つです。全部を整えてから始めると、いつまでも始まりません。

番手を営業から聞き出せない場合は、来場後アンケートで聞く方法があります。5,000円分程度のクーポンを付けると、回収率は約8割になります。

最初の1か月は、数字の良し悪しを見ません。次の2点だけ確かめてください。

  1. 次回アポの何割で、次に会う理由を言えるか
  2. 番手が分かっている商談は何割か

この2つが揃えば、次に置く指標が決まります。決まる前の商談の流れ方は商談が流れる原因が参考になります。

運用でつまずくのは、データが入らないこと

KPIが回らない最大の原因は、指標の選び方ではなくデータが入らないことです。住宅は入力項目が多く、分けて入れたい情報(競合・自社の評価ポイント・親族)ほど、メモ欄に流れ込みます。

データを入れる方法は3つあります。

入れ方特徴
営業が手で入れる項目が増えるほど、入力が続かなくなる
外部から連携で入れる自動で入るが、連携できる範囲に限られる
記録から自動で埋まる商談の記録から項目が埋まり、営業の入力が要らない

ALLGRIT セールスAIは3つ目の方法です。録音を取り込むと約5分で解析が終わり、議事録・顧客カルテ・検討状況が自動で埋まります。議事録は1件約30分かかっていた作業が不要になります。

監視の道具として導入すると、定着しません。営業本人にとっての得(入力しない、次回商談の準備ができる)と、会社の契約率向上を、両方伝えてください。

今週確認するチェックリスト

最後に、自社のKPIを見直すときの確認項目です。

  • 次回アポ率を、単独の目標にしていないか
  • 次回アポの「会う理由」を、お客様の言葉で言えるか
  • 初回接客の帰り際に、番手を聞けているか
  • 行動の指標(先行)と結果の指標(遅行)を分けているか
  • 来場成約率を、集客の経路別に見ているか
  • 週次は、決まる案件でも落ちた案件でもなく、その間の案件を見ているか
  • 指標のデータが、営業の手入力だけに頼っていないか

データが入る設計にした商談管理は、住宅営業の商談管理で整理しています。録音から数字を出す運用は導入事例で紹介しています。進め方は成約率改善の資料やセミナーでも解説しています。

よくあるご質問

営業KPIとは何ですか?KGIとどう違いますか?

KGIは最終ゴール、KPIはそこへ至る途中の進み具合を測る数字です。住宅営業なら、年間の契約棟数がKGI、来場成約率や次回アポ率、番手の確認率などがKPIになります。KPIはKGIから逆算して置きます。

住宅営業のKPIには何を置けばいいですか?

来場成約率(結果)、次回アポ率、次に会う理由の有無、番手を確認できた商談の割合(行動と状態)が基本です。行動の指標と結果の指標を分け、どれか1つだけで営業を評価しないでください。

次回アポ率だけをKPIにしてはいけないのはなぜですか?

特典などで数字だけ上げられるからです。お客様の気持ちが進まないまま次のステップだけが進み、決まらない案件を追う時間が増えます。次回アポ率は、初回接客が濃かったかの結果として見てください。

数字を出していない会社は何から取ればいいですか?

次回アポ率と、お客様の中の番手の2つです。番手を営業が聞き出せない場合は、来場後アンケートに番手の設問を置く方法があります。5,000円分程度のクーポンを付けると、約8割の回収が見込めます。

KPIの数字が現場で入力されず、集計できません。どうすればいいですか?

入力項目を増やす前に、データが入る設計に変えてください。営業が手で入れる、外部システムから連携で入れる、商談の記録から自動で埋まる、の3つがあります。手入力だけに頼ると、メモ欄に流れ込んで集計できません。

出典・参考

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